15日にまたJアラートが鳴った。その日はゆっくり寝てゐられるはづだったが、自然な目覚めよりおそらく2時間ほど早く起こされてしまった。またも北朝鮮のミサイル発射である。TVが危機感を募らせるやうな報道番組を流してゐたが、言葉の本来の意味での「杞憂」だと私は思ふ。

 杞の国のある男が、天が崩れ落ちてくるのではないかと心配し、食事ものどを通らず夜も眠れずにいた、といふのが「杞憂」の由来だが、細かく言ふと、月や星が落ちてくることも心配したらしい。日本に落ちる心配のないミサイルにJアラートやエムネットをを発動して騒ぎ立てるのは、まさしく彼の心配と同じだ。不安を抱きながら屋内でじっとしてゐたといふ人もゐるやうで、それには失笑したが、自治体や報道機関の職員などは緊急出勤せざるを得ず、時間外手当だけでもかなりの損失だらう。また、交通機関が一時的にストップしたのも損失で、もしあと30分くらい遅ければ企業の活動にも影響が出ただらう。

 そんな損失を強いてまで発動させるのは、安倍政権の策略といふ印象がある。つまり危機感を煽って安保法制の正当化や戦争ができるやうにする改憲への機運を高める狙ひだ。私は、自衛隊の明確な位置づけや自衛戦争を肯定するための改憲には原則賛成の立場だが、理屈でなくムードで進めるのには賛成しない。特に安倍晋三は戦前回帰を目論んでゐるので、彼の思想が色濃く出る改憲には絶対反対である。

 Jアラートに敏感に反応する人は、失礼ながら判断力に乏しいと思ふ。しかし、ウソでも繰り返し言はれるとついには真実と思ってしまふのは人間の性で、ヒトラーはそれを利用した。安倍もヒトラーに倣ってゐるのかもしれない。やはり、彼にはできるだけ早く首相の座を降りてもらひたいものだ。

 
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 「学び舎」といふ出版社があり、中学校の歴史教科書を発行してゐるといふ。ほかの出版物は知らないが、その教科書を採択した学校に対して文書で抗議するといふ動きがあったらしい。抗議の理由は慰安婦問題に触れてゐる事で、さういふ教科書はこれだけだが採択したのは少数の私立学校だった。

 その方法は大量の葉書を送りつけるといふもので、詳しくは下の()内にリンクさせたページにある。いかにもありさうな話だが、学校に抗議するのは本来筋違ひだらう。その教科書は文科省の検定を通過した複数のうちの一つだからだ。慰安婦問題に触れてゐるのが気に入らないなら、文科省に抗議するのが筋である。

 おそらくかういふ事だらう。文科省に抗議しても門前払ひに近い対応をされると思はれるし、仮にきちんと対応しても最終的には拒否されるだらう。奇跡的に成功して次回の検定には通らないといふが起こったとしても、かなり時間がかかる。出版社に抗議するのは自由な言論に対する妨害だからできるはづがない。そこで採択した学校への抗議といふ形をとったのだらう。

 学校の判断を批判するのは自由だが、脅しのやうな文言で「抗議」するのはまともな批判ではない。それらの学校は圧力と感じ、自由な教育の抑制を懸念してゐる。その圧力に屈するとは思へないが、じわじわと影響を与へる虞がないとは言へない。(以上は二つあったリテラの記事で知った事を基にしてゐるが、二つ目にはNHK「クローズアップ現代」の内容紹介もある)

 かういふ動きの元になってゐるのは、戦後の歴史学、特に近代史学を「自虐史観」によるものとし、日本は正しかったとする考へ方である。それに対しては歴史修正主義といふ批判があり、現代における大きな思想対立の軸となってゐる。



 ところで私には、「自虐史観」を批判するネット上の友人がゐる。彼によれば、自国の歴史における負の部分を正当化するのは当然の事で、負の部分を負として捉へるのは心の病に冒されてゐるのだといふ。負の部分の正当化は、精神分析で言ふ防衛機制のうちの「合理化」に相当し、それがができないのは心の病、従って「自虐史観」を持つ者は心を病んでゐるといふわけである。

 私は精神分析や心理学の素人だが、少し勉強したり詳しい友人に尋ねたりして一応理解したところによれば、防衛機制は主に心の安定のために発動されるが、その態様によって肯定的にも否定的にも働き得る。従って、「合理化」すれば健全な精神状態でゐられると断定できるわけではない。また、心が安定してゐれば「合理化」を含めて防衛機制の出番はなく、「合理化」しない事が心を病んでゐる事の証明になるわけでもない。

 精神分析は難解だし、「精神分析事典」(小此木敬吾・北山修編)によれば、防衛機制の研究は発展途上らしく、諸説あって整理は未だ不十分との事だ。多少齧っただけの自分に上記(100%正しいといふ自信もない)以上の事は言へないが、精神分析の理論を歴史を見る態度に適用する事の是非については言へる。自国の歴史を自分自身の過去を見るやうに見る、といふ事はあっても不思議ではないが、それが当然の態度であり、従って心理学や精神分析の理論が適用できると考へるのは乱暴に過ぎる。と言ひながらも、敢て当該部分に限って適用すれば、負の部分を正当化しないからと言って心の病と「診断」する事はできないと考へるべきだらう。

 そもそも、自国の歴史を学ぶ(研究する)にあたって、負の部分を負として認識し、将来の参考にするのはあるべき姿勢であり、負の部分を正当化するのは、それに反する。もっとも、負の部分の認識が実は誤ってゐたといふ事もあらう。過去に正しいとされてゐた事が歴史学や考古学の進展によって誤りと判明し、訂正されるのは正負に関係なく時々あり、学問の成果として受け入れるべき事だ。しかし、例へば「大陸進出は侵略ではなかった」「南京虐殺はなかった」などといふのは歴史の捏造である。当時の日本は非難されるやうな事はしてゐないといふ先入観の下に、定説と少しでも違ふ部分を探し出し、それを針小棒大に言ふ事によって、その先入観があたかも正しい認識であるかのやうに粉飾してゐるのだ。「歴史修正主義」とされる所以である。

 件の友人は、さういふ事まで肯定してゐるわけではないが、負の部分に対して、「さうせざるを得なかった」「それなりの理由があった」などの正当化を積極的に肯定する。その正当化には相応の理解ができるが、国民としては正当化するのが当然でしないのは心の病、と断ずるに及んでは、心理学的知見(正しいか否かはさておき)を安易にに適用した暴言と言はざるを得ない。


 ともあれ、史観を要因とする思想対立は、今後も続くばかりか激化すると予想される。歴史修正主義に近く、明治憲法の方向に戻す改憲を狙ふ安倍晋三が首相を務めてゐる現在、その勢力は水を得た魚のやうであり、「学び舎」の教科書の件もその一つの現れだらう。まだ少数派であるとはいへ、一般大衆は声の大きい方に引きずられる傾向を持ってゐるから、安倍政権が更に長引くと少数派とは言へなくなるかもしれない。
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 今朝のTV番組「サタデープラス」で、「おもちゃの歴史で振り返るニッポン」といふコーナーがあり、野球盤が取り上げられてゐた。

 1974年に発売されたものが、10万でヒット商品とされるおもちゃ業界で300万台といふメガヒットになったといふ。「あれ?もっと前からあったぞ」と思ひながら見てゐると、初代は1958年の発売で、74年のものはある機能を追加したとの事だった。

 1958年の私は4年生だったが、当時「野球ゲーム」といふので遊んだ。自分でを持ってゐたのか、いとこの家にあったのか、後者のやうな気がするが、それは野球場をかたどったボードゲームで、攻撃側が二つのサイコロを振り、出た目によってヒットとかアウトとかホームランとかになる。ランナーが出るとバントや盗塁などを宣言する事ができ、やはりサイコロで成否が決まる。それを繰り返していくのだが、要するに双六を野球風に複雑化させたものだった。

 そのうちに野球盤といふものを知り、欲しいと思ったが親にねだる事はしなかった。ところで、隣家に父の後輩の若い一家が住んでをり、そこには私より三つか四つ下の男の子がゐた。しょっちゅう行き来してゐたのだが、ある時そこに野球盤が登場した。それがいつだったか定かではないが、とにかく私はあこがれの野球盤で遊ぶことができたのだった。ちなみに、その家ではTVも我が家より早く購入した。

 ところで先ほどの「ある機能」とは、何と!「消える魔球」だった。消える魔球は、「巨人の星」の星飛雄馬が編み出した「大リーグボール2号」の別名で、漫画で登場したのは多分70年頃だったと思ふ。なぜ消えるのかが男子の間で話題になったことをよく覚えてゐる。野球盤での消える魔球は、ホームベースの部分が陥没してボールがそこに落ちる仕掛けだった。絶対に打てないので、子供たちの間では「10球に1球」などのルールができていったさうだ・・・なるほどね。

 さておき、情報番組から五十数年前を思ひ出した次第である。
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 今朝、北朝鮮がミサイルを発射し、襟裳岬東方1180kmあたりの公海に三つに分かれて落下した、といふニュースがあった。そして、政府は東北・北海道にJアラートを発信したといふ。私の携帯にも着信したが、別のところにゐたので気づかず、後で確認した。

 報道(「スッキリ」)によれば、発射は5:58、Jアラート発信は6:02、北海道上空通過は6:07頃、落下は6:12だったさうだ。そして、ミサイル発射直後にはそれを察知し、即座に軌道計算がなされてゐたといふ。自治体によっては避難を呼びかけたとも言ってゐた。

 さて・・・私の疑問はJアラートに意味があったのか?といふ事だ。軌道計算がすぐにできてゐたのなら、日本の領土や領海に落ちる心配はほとんどないといふ結論になったと思はれる。即ち、飛ぶのは500km以上の上空で、はるか東方に落ちるのだから、脅威があるとすれば、途中で異変が起きて領土や領海に落ちる事だらう。そこまで考慮しての事であれば一応は納得できる。また、その異変が爆発で、バラバラになって飛散するならかなり危ない。しかし、いづれにしても避難すればよいといふものではないだらう。

 つまり、もしさういふ事態になったとしても一般国民にはなすすべがない。ミサイルのまま落ちてくるならPAC3での迎撃に頼るしかないし、バラバラになって落ちるならPAC3での対応は期待できない。迎撃失敗やバラバラ落下の際、被害を受けるかどうかは運次第だ。そもそも、6:02にJアラートを知っても、異変が起きて本土に落下するまで5分ほどしかないのだ。

 であれば、Jアラートは気休めにしかならない。また、列車の運行見合わせなどがあったが、さういふ混乱を引き起こすことにもなる。とはいへ、国民の安全を守る政府としてはさういふ対処は必要、との考へを否定するわけではない。ただ、その有効性には疑問符がつくといふ事が言ひたいのである。まあ、ミサイル発射などないのが望ましいのだが、現実にはあまり期待できない。
 
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 あるきっかけからようつべの動画を視聴し、脇にある案内から面白さうなものにに転じたりしてゐた。その中に浅沼稲次郎追悼集会のものがあった。2007年10月に当時の社民党が開催したのだが、歴代委員長などの挨拶に挟まって、浅沼の演説の様子も入ってゐた。それが何と例の事件の日のもので、山口二矢が突進して浅沼を刺す瞬間も写ってゐた。

 その瞬間の写真は当時新聞で見たし、その後も折に触れて提示されてきたから脳裏に焼き付いてゐる。また、沢木耕太郎の「テロルの決算」で、浅沼と山口の軌跡に加へてそれを撮影したカメラマンの当日の様子も詳しく知った。だが、動く映像はこれまで見たことがなかった。TVか映画か、誰が撮影したのか、旧社会党あるいは社民党が保管してゐたのか、それともどこかから借りたのかも分からないが、とにかく存在してゐたわけで、現在もあるに違ひない。

 ともあれ、少年時代に受けた強い衝撃に似たものを別な意味で感じた次第である。(*問題のシーンは7:02から)
https://www.youtube.com/watch?v=CBsvmc0BqOE
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丸山恒平

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1949年1月生まれ、還暦を期にブログを始めました。記述することは多岐にわたります。
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