前回の記事を書いた後、会見の中継を見た。彼は2年生ではなく3年生で、20歳になったばかりとされてゐたので、4月生まれなのかもしれない。それはさておき、翌23日、日大の内田監督と井上コーチが会見を行ひ、さらに25日、学長が会見した。その前日は日大の再回答が関学に提出された日であり、それを受けて今日(26日)、関学が会見した。

 それらもほとんど中継で見たので、ここに感想を書いておく。まず反則をした宮川選手は、事実経過を正直に語ったと思はれる。あの試合の数日前からの状況も話し、その上で、「QBをつぶしにいけ」といふ指示を実際にケガさせろといふ意味に取ったと話したが、これは事件の核心だった。「相手をつぶせ」は、「全力でぶつかれ」といふ意味でよく使はれるさうだが、その日の、問題のプレーについてはさうではなかったわけだ。

 一方、監督とコーチの会見では、「つぶせ」と言ったのは確かだが、ケガをさせろといふ指示はしてゐないとの説明だった。これはコーチの言葉で、監督は「信じていただけないとは思ふんですが、私からの指示ではありません」と言った。また、激しいプレーもあくまでもルールの範囲内で・・・といふ指導姿勢とも言ってゐた。だから、一言で言へば、「乖離」云々といふ当初の説明をやや詳細に繰り返したのがこの会見だった。

 それならなぜ「指示の意図を誤解した」プレーの直後にその旨指導しなかったのか、といふ当然の質問に、監督は「ボールを見てゐて、そのプレーは見てゐなかった」「次々とプレーが進んでしまひ・・・」と弁明した。さういふこともあるのか・・・と思ったが後でこれも嘘らしいことが分かった。なぜなら、監督が宮川選手の方を見てゐると思はれる映像があったし、反則に際しては審判が反則の内容をマイクで告げて必要な措置(この場合は15ヤード後退)をとるさうで、その間1分くらいはプレーが中断するので仮にリアルタイムで見逃してもどんなプレーが行はれたかが分かるし、選手に指示するチャンスはもあったからだ。また井上コーチは、見てゐたが何とか彼にプレーを続けさせたいといふ思ひ云々と語ってゐたが、しどろもどろな話しぶりだった。

 25日の学長会見は、謝罪会見とされてゐたが、誰に何を謝罪してゐるのかがよくわからない内容だった。もちろん、ケガをした選手、関学チーム、その他関係者への謝罪の言葉があったが、それより長い時間をかけて話したのは、日大の学生と付属の高校や中学の生徒へのメッセージだった。質疑応答でも、肝心の部分は第三者機関や連盟の調査に委ねるといふのみ、大学としてどう対処するのかがほとんど見えない会見だった。報道陣を呼びつけて公共の電波を使ひ、10万人ほどの学生・生徒に動揺するなと伝へるのが真の目的だったのかと疑はれた。

 さて今日(26日)の15時から関学の会見があった。日大の再回答は、詳しくて長いものだったが内容は初回とほぼ同じだったらしい。それで、10項目に亘って疑念を提示し、信頼関係が回復するまで試合はしないとの方針を述べた。それらの疑念はこれまでマスコミなどで指摘されてきた事と似通ってをり、総じて宮川選手の会見内容に信憑性を認める姿勢だった。会見に先んじた被害選手への謝罪の場にも立ち会ったさうで、その際にも彼の話を聞いてをり、会見はその敷衍だったやうだから当然かもしれない。


 さて、宮川君は全日本代表に選ばれてゐる優秀な選手なのだが、「フットボールをやる権利がない」と会見で語ってをり、現在は学校にも行ってゐないらしい。さういふ事情は理解できるので、実に気の毒としか言ひやうがない。被害選手の父親をはじめ色んな人が彼を応援し、再びプレーできるやうにと発言してゐるが、しばらくは無理だらう。もちろん責任はあるし、会見を見ての印象ではまじめな性格のやうであり、だからこそ事件のショックはかなり尾を引くと思はれる。

 前回書いたやうに、これは傷害事件である。彼もさう認識するからこそ、権利がないと思ってゐるのだらう。被害者側が彼を加害者として被害届を出したから、警察が動き始めたはづだ。それを取り下げる可能性もあるし、捜査続行でも逮捕や起訴はされないと思ふが、故意に負傷させたといふ事実は消えない。周りは忘れても本人が忘れる事はない。その悔恨を乗り越えて再びプレーするにはかなりの精神力が必要だらう。私としては、また活躍してほしいと思ふものの、このまま競技をしなくなっても、それが彼の意志ならやむを得ないと考へる。どちらにせよ、このやうな事態を引き起こしながら直接の責任を認めない内田監督には憤りを覚える。井上コーチも同様だが、彼も内田氏にさからへない立場らしいので一片の同情の余地はある。
スポンサーサイト
line
 アメリカンフットボールの事件には驚いたのだが、それに関連して今日もっと驚くべき事を耳にした。タックルをした選手が記者会見を開くといふもので、一瞬耳を疑った。彼は実行者であり、当然責任があるが、日大アメフト部といふ環境を考慮すれば部や大学に守られるべき存在で、なぜ前面に出ねばならないのか?といふ驚きである。

 アメフトではボールを持ってゐない選手へのタックルは反則、と今回知ったのだが、おそらくラグビーも同じだらう。激しいスポーツなので、勢い余って結果的に反則といふのはいかにもありさうだが、問題のプレーは明らかに故意に見える。抗議を受けた日大は、「指導者の指導と選手の受け止め方に乖離があったのが問題の本質」と回答したのだが、とんでもない詭弁だ。盛んに言はれてゐる事だが、もしさうであれば、あのプレー直後に選手を叱責しなければならない。

 内田監督は監督を辞めるさうだが、それで終わる話ではない。この件が落着するためには、彼があの選手にあの悪質反則を指示した事を明言し、刑事事件としての扱ひが始まらねばならない。要するに故意による傷害事件なのだ。さう考へる人はたくさんゐるはづで、TVに出てくるスポーツライターなどは、明言しないが、本心はさうだといふのが滲んだ言ひ方をしてゐる。


 さて、初めの回答に対する関学の不満を受けて、日大が24日に再回答する運びになってゐるが、それに先んじてタックルした選手が・・・といふのが本題である。なぜ彼がそんな事をするのか。段取りを整へたのは彼の先輩と伝はってゐるが、監督や大学を差し措いて彼が矢面に立つ必要があるのか、大学はそれを知ってゐるのか、などが不明である。前述の通り、内田監督が真実を語るべきだが、その際選手を同席させて一緒に謝る、といふのなら一応話はわかる。あるいは、彼が個人として危険な反則行為をやったので謝罪する、といふ事でも理解できる。彼が成人かどうか、対応に多少の影響があるので知りたいが、2年生らしいので未成年である確率が高いとしか言へない。

 ともあれ、報道によれば、監督の指示があった事を言ふらしいのだが、だとすれば24日の再回答への牽制かもしれない。つまり、監督の指示を明言しないおそれがあるので先んじて言ってしまはうといふ事だ。であれば、日大はこの学生や彼の先輩からも信用されてゐない事になる。内田氏は監督を辞めても、日大の常務理事といふ立場に変はりはなく、自分が指示したとは口が裂けても言へない・・・と見透かされてゐるわけだ。本来大学は学生を守るべきなのだが、「乖離」とされたやうに選手に責任を負はせる方向にある。それではたまらないといふのが彼の気持ちで、先輩がそれを理解してセットしたのではないかと思はれる。


 会見は今日の午後らしい。彼は退部するさうだが、だからこそ言へるといふ内容も含めて、数時間後にはいろんな事が明らかになるだらう。当然ニュース番組で報道されえるが、できればリアルタイムで見たい。
line
 昨年、USAの映画関係で、女優たちがプロデューサーのセクハラを受け続けてゐたといふことが明らかになり、それに関する報道にピューリツァー賞が与へられた。その経緯をおおざっぱに言へば、初めてセクハラを訴へたある女優に、次々と他の女優たちが同調した事で大きな問題となり、その際使われたと思はれる「Me Too」が、その後運動のスローガンになった。

 日本人なら中学生でも理解可能な英語である。そして、単純な言ひ回しであるがゆゑに意味が広がる可能性がある。本来は「私もさうだ」つまり「私もセクハラを受けた」であり、当初はその意味だった。しかし、セクハラ一般への抗議スローガンとし使はれる場合には、まさしく意味が広がってゐる。つまり、それを掲げる人がセクハラを受けたかどうかは無関係であり、男性が掲げても全く問題はない。


 野党の女性議員たちが黒い服を着て「Me Too」を掲げたのも、当然その広げられた意味で、福田氏の一件への抗議として使ったわけである。実際にセクハラがあったのか、それが不明な段階でさういふ行動をとる事の是非は別に検討する必要がある(*)。だが、彼女たちに批判的な姿勢からの言動は醜悪としか言ひやうがない。

 「あなたたちにはセクハラしません」と言ふのは、「私もセクハラしますが、対象はあなたたちより若くて美しい女性です」と同義である。これはセクハラを「しても良いもの」と認めた上で、当該女性たちには魅力がないとする発言で、犯罪的かつ失礼千万である。「その発言自体がセクハラだ」といふ反応があったのも当然だらう。

 また、「Mee Too」は私もされたっていふ意味だから、セクハラされたことのない人がそれを掲げるとは笑止千万、といふ発言も酷い。敢へて本来の意味に限定して彼女たちを馬鹿にしてゐるのだ。(*)に示した意味での批判なら一応頷けるのだが、この発言者(本人曰く「名もない田舎の老人」)は、単に野党嫌ひから坊主憎けりゃ・・・の感覚で暴言を吐いてゐるとしか思へない。
line
 前回の記事で、証人喚問は彼にとって汚名返上のチャンスと書いたが、大方の予想通りさうはならなかった。すべてを明らかにするのがチャンスを生かす事だったのだが、彼はさうしなかった。国民ではなく、安倍首相からの評価を優先したものと思はれる。安倍晋三・昭恵夫妻の関与否定する事で安倍晋三の失脚を防いだのだから政権にとっては有難い事に違ひなく、佐川氏には何らかの見返りがあるのだらう。それは恐らく人事で、頃合ひを見てどこかに天下りさせてくれるといふ見通しなのだらう。まだ60歳、あと30年ほど寿命がありさうだが、退職金と年金で細々(一般人よりずっと優雅だが)と暮らすより、天下り先で高い報酬と退職金をもらふのを繰り返す方がよいといふわけだ。


 参考になるのは前川喜平氏だ。彼は文科省を辞めた後、加計学園の問題について安倍首相の関与を指摘したり、今回の改ざん問題についても安倍政権に批判的な発言をしてゐる。出会い系バーの件で、発言の信憑性を下げる企みに陥れられたが、今ではあちこちに引っ張りだこだ。その状態は彼にとって幸せなものらしく、佐川氏に対する呼びかけとして「本当の事を話すと幸せになれる」と発言してゐた。官僚時代は本当の事が言へない、これは十分に察する事ができる。

 佐川氏は、官僚を辞めてしまってからも本当の事を言はずに通すつもりらしい。彼は「それが幸せになれる」道と考へたのだらうか。それとも、幸せでなくてもいいから地位や収入などによる心地よさを選んだのだらうか。


 いづれにしろ、安倍政権は当面の危機から脱したが、支持率は回復するだらうか。支持しない理由で最も多いのが「首相が信頼できない」と伝はってゐるし、与党内からも批判が起きてゐるので、簡単には回復しないと思はれる。もっとも、別の理由で支持が増える事もあり得るので、ふた月くらい様子を見る必要があるだらう。自ら政権を手放す事はないものの、総裁三選はできず、安倍政権はあと半年で終わり・・・といふのが私の予想である。
line
 森友学園の問題が、3月2日の朝日新聞の報道があってから急速に動いた。大阪財務局の職員が自殺、佐川氏が国税庁長官を辞任、その佐川氏が国会に証人喚問されることになりさうだ。

 朝日の報道は、森友学園の土地取得に関する公文書が書き換へられてゐたといふもので、それは事実なのか、どう書き換へられたのかなどで賑はったが、今週になってそれらが明らかになった。

 そもそもこの問題は、学園が新しく小学校を作るために国有地を取得したのだが、取得に至る経過や価格が不自然で、それが安倍晋三首相が関はってゐたゆゑではないかといふ疑惑である。これまでに明らかになった事から推測すると、安倍首相自身より夫人である昭恵さんの関与があったやうだ。明確な証拠があるわけではないが、通常の判断力があれば自然に導かれる推測だ。

 昨年2月にこの件が初めて取り上げられたのだが、国会で安倍夫妻の関与を質された際に、自分や妻が関はってゐたなら総理大臣も国会議員も辞めるといふ発言があった。それは予め準備されてゐた答弁ではなく、気色ばんで落ち着きなく発せられたものだった。

 前後して、佐川理財局長による「法に従って適正に処理された」との答弁もあったのだが、公文書の書き換へ(改竄と言ふべきだらう)は、その10日ほど後からひと月以上かけてなされてゐた、と今回発表されてをり、改竄の内容には昭恵さんの名前が出て来る部分の削除もあった。安倍首相や佐川氏の答弁とつじつまを合わせるための改竄、と誰もが思ふだらう。公式発表では、佐川氏の答弁との整合性を図ったものとされたが、その佐川答弁自体が昭恵さんの関与を否定するものなのだ。

 昭恵さんの関与が明らかになれば安倍首相が失脚するわけで、官邸に人事を握られてゐる高級官僚たる佐川氏はそれを隠す事にしたのだらう。その結果、国税庁長官に出世した。ただ、理財局長から国税庁長官へといふコースは特別ではないらしいので、単にスピードだけだったかもしれない。それにしても今日、国会での首相の発言には驚いた。「改竄前の文書を見ても私や妻が関はっていないのが明らかだった」と言ったのだ。改竄前の文書には、籠池氏が、ある場面で昭恵さんが彼に話した内容を紹介してゐる部分があった。それが昭恵さんの関与を示してゐるとは言へないものの、疑はせるに十分だ。百歩譲って疑へるとは言へないとしても、関与がないことが明らかとは全く言へない。野党が出席してゐないのでヤジもなかったが、中学生でも分かるやうな事が安倍晋三には分からないのだらうか。


 さて、公文書の改竄には刑事罰があるが、今日の「ひるおび」で八代弁護士が解説したところによれば、今回のやうに、公文書を作成する立場にある者が決済後のものを改竄しても簡単には適用できない。そもそもさういふ事態を法は想定してゐないといふのだ。ただし、虚偽の報告によって国政を歪めたといふ結果を考慮し、偽計業務妨害に問はれる可能性がある。

 すると、改竄に携はった官僚たちは、改竄自体で罪を問はれることにはならない。問題は何故そんな事をしたのかで、これも犯罪とされるわけではないから、証人喚問で佐川氏が真実を述べる事に期待する。昭恵さんの関与が証言されるとは思へないが、安倍晋三への忖度を明言するだけでも国民から喝采を受けるだらう。彼は虚偽答弁を疑はれ、国税庁長官になっても会見をしないなど散々悪評されてきたが、辞任した以上忖度する必要はない。汚名返上の大チャンスである。

 
 それはさておき、このやうな事態は国家にとってどの程度重大なのだらうか。まづは官僚による公文書改竄だが、これは改竄の内容は別としてあってはならない事である。法が想定してゐないのは、些細な事だからではなくあるはづのない事だからだ。ここで、オーウェルの「1984年」が想起される。主人公は「真理省」に勤務してをり、新聞や歴史記録を書き換へるのが仕事である。それは「党が常に正しい」といふ状態を作り出すためだ。官僚による公文書改竄の究極にあるのはさういふ状態である。

 極端に走ってしまったが、官僚が作る公文書の多くは行政の記録であり、後世の検証も受ける。それが時の政権の都合に合はせて改竄されるのは、遠い昔ならいざ知らず、民主主義の時代ではとんでもない事なのだ。

 また、改竄の理由は昭恵さんの関与を隠すためだらうが、関与が事実で、それゆゑに籠池氏が行政上有利な扱ひを受けたのであれば、行政の私物化に他ならない。加計学園の件にも通ずる事だが、それが許されない事であるからこそ、安倍首相自身も、首相はもちろん議員も辞めるとまで言ったのだ。

 だから、国家にとっての重大さの程度はかなり高いといふ結論になる。国の根幹を揺るがすやうな問題ではないといふ意見もあるが、まさに根幹に関はる問題だと思ふ。野党が追及するのは当然だし、今では与党内からも安倍批判が出始めてゐる。ただ、野党がまだ審議に応じてゐない事には賛同できない。佐川氏の証人喚問が実現する見通しになったのだから、今日から委員会に出席するべきだった。昭恵さんの喚問も要求してゐるのだが、実際には無理だらう。それに拘泥するより、譲歩といふ形で取り下げる方が得策だらう。課題はこれだけではないのだから、拒否を続け過ぎると国民の支持を失ふ事になる。
line
line

line
プロフィール

丸山恒平

Author:丸山恒平
FC2ブログへようこそ!
1949年1月生まれ、還暦を期にブログを始めました。記述することは多岐にわたります。
コメント歓迎・反論歓迎・トラックバック歓迎・リンクフリーです。

BLOGRAMに登録しています。できればカレンダーの下のタグをクリックしてください。

line
最新記事
line
最新コメント
line
最新トラックバック
line
月別アーカイブ
line
カテゴリ
line
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
line
カレンダー
05 | 2018/06 | 07
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
line
フリーエリア
line
フリーエリア
line
sub_line
検索フォーム
line
RSSリンクの表示
line
リンク
line
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

line
QRコード
QRコード
line
sub_line