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 英語で牛は[ox]と[cow]である。牡牛と牝牛を別の単語で表すのは、肉食民族の言語だからとされてゐたと思ふ。また、動物としての牛と食べ物としての牛肉も別の単語になってゐる。それも理由は同じと思ってゐた。ところが、違ふ理由によるものである事をつい先ほど知った。

 「イギリス史 10講」といふ岩波新書(近藤和彦著)を読んでゐるのだが、それで知ったのだ。この本はタイトルの通りイギリスの歴史を概説するものだが、その第3講によると・・・

 11世紀後半、イギリスではいくつかの理由から王権の継承を巡って争ひがあった。それ自体、古今東西珍しくはないが、もちろんイギリス特有の事情がある。この時は、ノルウェーとフランスが絡んでゐた。詳細はさておき、結果としてフランスの影響が強くなり、「アングロ=ノルマン複合」と呼ばれる社会・政治体制をもたらした。庶民レベルで見ると、フランスの有力者が新しい領主になる、といふ事が少なからずあった。

 それが言語にも影響した。当時のイギリス庶民(に限らないが)は古英語を話してゐたが、新しい領主たちは古フランス語を話した。それが後に中期英語を形成する要因となるのだが、さていよいよ本題である。庶民は牛・羊・豚を[ox][cow][sheep][swine]と呼んでゐたが、それらが領主の食卓に上ると、古フランス語の[beef][mutton][pork]と呼ばれた。つまり、肉食生活だから肉に関する語彙が多いのとは別に、古英語と古フランス語に由来を持つ単語が現代の英語に混在してゐるのだ。ちなみに、古英語と現代英語で相違があるのは豚だけだが、辞書を引いてみると、[swine]は[pig]の古風な表現となってゐた。現代のフランス語で[beef]などがどう使はれてゐるのかは知らない。

 英語の中にフランス語由来の単語がある、といふ事は一応知ってゐた。例へば、終わりを表す[end]はもともと英語だが、[finish]はフランス語の[fin]から来てゐる。実はこれ一つしか具体例を知らなかったのだが、今回、[beef]などを知って少し嬉しい。ついでながら、庶民の食事は[meal]だが、フランスからやってきた領主のごちそうは[dinner]を使ったといふ。「一般的な食事」と「正餐」で使ひ分ける・・・と中学時代に覚えたが、古フランス語の流入といふ歴史があったとは、なかなか面白い。
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 阿部首相が辞意を表明した。久しぶりの記者会見はコロナ対策を説明するものと思はれてゐたが、それと同時に自身の健康に関する事も話されるはづで、”あるいは辞意表明も?”といふ観測もあった。私もひょっとすると・・・と感じてゐたが、それがあったわけだ。

 理由は健康状態であり、持病の潰瘍性大腸炎が再発し、仕事に全力を傾注できなくなったと話した。前回の辞任も健康が理由だったから、これで二度目だ。それをどうかう言ふつもりはないが、健康上の理由で退陣するのは残念な事だらう。

 さておき、私としては歓迎する。このブログにも何度か書いてゐるが、彼にはできるだけ早く首相を辞めてもらひたいと思ってゐた。選挙で落とされるのが最善だが、実際には望めない。解散は政権与党に有利な時期を探るだらうから、なかなか与党大敗は望めないのだ。ある程度の負けでも、総裁の責任を追求して「次はオレだ」と名乗り出る人物がゐるのか疑はしい。辛うじて石破茂が考へられるくらいだ。だから、本人にとって不本意であれ、辞める事になったのは喜ばしい。

 ただ、数々の疑惑の追求が終わりになる事が予想されるのは残念である。もっともすでに尻すぼみになってゐるので、臨時国会が開かれても期待できない状況ではあるが。私が辞意を歓迎するのは、それらの問題や憲法改正(改悪)などに関連して、このやうな人物が首相を勤めるのは御免かうむりたいからである。

 病気が理由なので、野党側も正面切って批判的な事を言ひづらいのは当然で、ニュース番組では無難なコメントが流れてゐた。このブログでそんな忖度をするつもりは毛頭ないので、「どんな理由であれ歓迎」である。
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 吉岡忍が道新に寄稿した一文を読んだ。彼は私と同学年と改めて知ったが、それはともかく、その文が面白かった。戦後75年にあたり、その意味を時間によって考へるといふ内容なのだが、75年は二世代半といふ捉へ方をしてゐる。一世代30年としばしば言はれるが、ある世代が築き上げたものを、子の世代はなんとか継承するが、孫の世代になるとそれが薄れてきて、ひ孫世代が成人するころには元の木阿弥になる・・・といふ時代の見方を示したのだ。

 例として、大化の改新と明治維新を挙げてゐた。大化の改新は豪族の私有地私有民を取り上げて公地公民制を作り上げたが、75年くらい後には有名無実化し、やがて荘園の時代が始まる。明治維新は近代国家を作り上げたが、二世代半で破綻する。

 その1945年から、戦後復興を担った世代の孫たちが現役を退き始めてゐる現在、新憲法の理念が損なはれつつある、と吉岡には見えてゐるやうだが、それは私も同じである。特に第二次安倍政権の数年間にそれが進行したと思ふ。戦後教育によって確立した時代の見方を自虐史観と批難する勢力が目に見えるやうになったのは前世紀末だが、今世紀に入ると徐々に勢力を増し、10年程前からはいはゆるネトウヨが跋扈し始めた。その主張内容は自虐史観を攻撃するものだったが、近年は安倍政権への批判を「半日」として排斥するものに変はってきた。敗戦の少し前に国策に反対する者を「非国民」として排斥したのと似てゐる。まだ排斥が行動に至ってゐないとは言へるが、安倍批判ヤジやプラカードに警察が動いた(札幌)のを見れば、さうなるのは近いかもしれない。もっとも、彼らは匿名性を盾にしてゐるので、目に見える行動はしないかもしれない。せめてそこに期待しやう。
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 ちょっと気になる記事があった。今日のAERAdotである。

 あとでじっくり読みなおすために保存しておく。
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 読売のオンラインによれば、7月中に退任する意向だといふ。後任には林東京高検検事長が就任する見通しだが、元々さういふ流れだったのだが、ちょっと振り返って整理しておく。

 その「流れ」は昨年秋頃、検察内部での人事案として形成されてゐたのだが、安倍政権が難色を示した。そのこと自体異例なのだが、その異例を通さうとしたのは、「官邸の番犬」と評されてゐる黒川東京高検検事長を検事総長にさせるためだった。稲田検事総長を2月初めまでに退任させ、黒川氏が63歳の定年を迎へる前に後任とする、といふのが当初の案だった。

 しかし、稲田氏は受け入れなかった。彼は前述の「流れ」を良しとしてゐたと思はれる。いくら内閣に任命権があると言っても、なんの落ち度もない稲田氏を首にすることはできない。そこで黒川氏の定年延長といふ無理筋を使った。無理筋といふのは、報道で解説されてきたやうに、国家公務員法と検察庁法の関係、つまり前者が一般法で後者が特別法であり、特別法が優先されるといふ法理を無視してゐるからだ。それを追及されると、閣議で解釈を変更したとか、その議事録はないとか、めちゃくちゃな答弁を繰り返し、またしても官僚の答弁を混乱させた。

 その結果、黒川氏が8月まで検事長を続けることが可能になり、想定されてゐた稲田氏の7月退任に際して後任に据ゑるといふ政権の目論見が成功する見通しとなった。ところが、例の賭けマージャン問題で黒川氏が失脚し、結果として昨年秋にできてゐた流れの通りに事が運ぶ事になった。

 折しも、河井夫妻の参院選での買収疑惑が持ち上がってをり、自民党中枢、場合によっては総裁である安倍晋三本人にまで司直の手が及ぶ可能性すら指摘されてゐる。例の「無理筋」は、それを視野に入れて「番犬」を検事総長に・・・といふ意図だったのではないか、とも言はれてゐるが、その可能性はかなり高いだらう。なぜなら、森友・加計・桜などの問題は一応逃げ切った形になってをり、それ以外に「番犬」を必要とするのは当面これしかないからだ。

 だから、今進行してゐる河井夫妻の捜査はかなり突っ込んだ所まで行くかもしれない。安倍に早く辞めてもらひたいと考へてゐる私としては、大いに期待する。
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1949年1月生まれ、還暦を期にブログを始めました。記述することは多岐にわたります。
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