特別国会は、総選挙の結果を受けて首班指名から新しい内閣の発足といふ手続きのために招集される。だから会期は短いのが普通だ。しかし、今回はかなり長い。それは、野党の要求を無視し続けた末にやうやく開催した臨時国会を冒頭で解散してしまったため、審議ゼロだった事を考慮したからだ。ところが、審議に入る前に質問時間についてのゴタゴタがあった。与党の質問時間を増やせといふのが発端だが、私はこのニュースで初めて、与野党の時間配分が2:8であるのを知った。

 国会中継を見ること自体少ないが、与党議員の質問は提灯持ちといふ印象である。そもそも、国会での質問は政府の提案に対するものであり、多くは疑問点を追及する。与党議員はその提案の作成に携はる立場であり、疑問点があればその段階で説明を受け、納得したり修正したりが可能である。もっとも、すべての議員が携はるわけではないから、国会の場で質問したいと考へる議員がゐても不思議ではない。しかし、実態は提灯持ちでしかないのだから、それは単なる可能性の話だらう。

 報道によれば、国会で質問する機会のない若手議員の、選挙区で「仕事をしてゐないのではないか?」と言はれるから質問してゐる姿をTVで見せたい、といふ要望から始まったらしい。そして、党総裁たる安倍首相が議員の数に応じて質問時間を配分するのは合理的と言ったやうだ。それで与野党の協議が行はれる事になったのだが、相変はらずこの人物は三権分立や議会制民主主義を分かってゐない。

 自民党は当初7:3と言ってゐたやうで、まさしく議員数に応じた配分だった。ただし、それが通るとは考へてをらず、実際の協議では5:5を主張した。野党は従来通りの2:8を主張し、結果として1:2となった。

 さて、代表質問に先立って加計学園に関する審議があり、そこでこの時間配分が適用されたのだが、トータル80分の与党の持ち時間のうち、義家議員が30分を使った。彼は、総選挙前は文科副大臣であり、その問題で質問に答へる立場だった。さういふ人物が質問に立って、安倍の言ふ「丁寧に説明する」内容を引き出す事になるはづがない。義家は、総理のご意向、一般的に第三者の意向が反映するかといふ質問を発し、さういふ事はないといふ官僚の答へに対して、「具体的かつ丁寧な説明に感謝する」と言った。茶番としか言ひやうがない。

 加計学園の件には様々な疑問が出されてゐる。首相の友達だから優遇されたのではないかといふのが発端だが、獣医学部の実情についても、本来求められるレベルに達してゐないとか、教員が高齢でかつ数も足りないとか、果たして認可が妥当かといふ疑問まであるのだ。それらが最終的には安倍・加計の個人的関係に帰着する可能性があり、それこそが最大の疑念なのだが、臨時国会を開催しないことから突然の解散、質問時間の問題に至るまで、そこに追及が及ぶのを避けるための手段だったと見るのが自然だらう。会期はまだ残ってゐるが、首相の外遊などもあってさほどの事は期待できない。年内をなんとか乗り切れば次は通常国会であり、予算案の審議といふそれこそ重要な課題が最優先される。そこに盛り込む事はできても多くの時間を割くのは無理で、うやむやのまま次第に記憶が薄れるといふ、狙ひ通りの流れになる事が予測される。



 少し脱線するが・・・・・森友学園の事も含めて、これらを「どうでもいいことに時間をかけてゐる」とする見方がある。重要な課題が山積してゐるのに個人攻撃のやうな事をやるのは問題だ、といふわけだ。

 確かに重要な課題は他にもたくさんある。しかし、これらも重要な事であり、ましてや「どうでもいいこと」では全くない。事は行政の私物化であり、事実であれば安倍本人も言った通り辞任に値する問題なのだ。安倍晋三といふ人物に個人攻撃を仕掛けてゐるのではなく、内閣総理大臣といふ公人の現状があるべき姿なのかどうかといふ疑問を追及してゐる。「どうでもいいこと」とするのは、行政を私物化しても構はないといふ事であり、まともな見識に基づいた言葉とは思へない。
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 「大義なき解散」による総選挙が終盤にさしかかってゐるが、メディアの予測では自民党が勝ちさうである。現有議席を減らすとしてもわづかで、増える可能性の方が高いらしい。従って単独で過半数を獲るのは確実、公明党は現状維持になりさうで、与党が三分の二を占める事も十分ありさうである。安倍首相は「与党で過半数」を勝敗ラインとしてゐたが、それは希望の党ができる前のものであり、激変した野党の様相によって情勢も変化してゐる。

 野党の様相と言へば、当初は実に分かりにくかったが、公示を経て少し分かりやすくなった。小池百合子は、安倍一強を終わらせると言ってゐたが、政策面では自民党と大きな違ひがなく、単に安倍を首相の座から降ろしたいだけのやうである。前原民進党は、やはり安倍政権を倒したいのだが、その方法として野党の共闘ではなく一本化といふ道を選んだ。しかし、政策に関する踏み絵を提示されて分裂する事になった。これが小池前原会談でどこまで話されてゐたのかが疑問だが、枝野の新党結成を「想定内」と発言したので、どうやら知ってゐたと思はれ、ならば裏切りと言へるだらう。

 だから、枝野の行動は筋を通したものだが、それに加わる者が少ない事には失望した。それでも30議席ほどを獲れさうだと予測されてゐるのは、私と同様に考へる人がかなりゐる事を示してゐる。

 前原は元々民進党内の右派と言はれてをり、小池と合流したのは、アメリカ流の二大政党を目指したものだらう。アメリカは、社会主義・共産主義といふ意味での左翼は無視できるほどであり、資本主義社会を全面的に肯定した上での二大政党が時々政権交代を演じてゐる。ソ連崩壊で共産主義の敗北が明らかになり、数少ない共産主義国家も資本主義の様相を呈してゐる現代、その方向は世界史的必然なのかもしれない。

 であるならば、共産党や社民党は衰退するのが当然の流れで、その存在意義は根本的に反自民といふ点だらう。立憲民主党も上記の意味での左翼ではないが、根本的な部分での反自民といふところで彼らと共闘できるだらう。

 かくして、三極構造となった今回の総選挙は、自公が300~310、希望が70~80、立憲・共産・社民が60~70、残りがその他といふ結果になりさうである。二大政党とは言へないが、あと数回選挙があれば、立・共・社が凋落してアメリカに近くなるかもしれない。

 ともあれ、閣議決定で憲法解釈を変更し、それに基づいて強引に成立させた安保法制を支持する勢力が三分の二どころか85パーセントほどを占め、そのトップが安倍晋三といふのは、重大な事態である。その先には戦前回帰の改憲が想定されるからだ。この予測が当たるならば、日本の黄昏である。黄昏の先には暗闇が待ってゐる。アメリカが主導する戦争に協力し、その状況のもとで個人の自由がどんどん制限される事になりかねない。仮に改憲しなくても、解釈変更と安保法制、更には特定秘密保護法が有効である限り、その危惧は消えない。時事通信のオンライン記事(10/13)によれば、昨年夏に、安倍は改憲は必ずしも必要ではなくなった、なぜなら安保法制が成立した事で集団的自衛権の行使についてアメリカから要請がなくなったからだ、と田原総一朗に語ったといふ。これほど明確にアメリカの意向に沿ふ政治を認めるのは珍しいが、分かりやすいとは言へる。

 願はくは、まだ投票先を決めてゐない半分強の有権者の票が立・共・社グループに流れてほしいものである。さうならないとすれば、70年経って定着したかに見える日本国憲法の根幹を、実は多くの人が理解してゐないとせざるを得ない。敢て言へば、私の予想は悲観的である。
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 15日にまたJアラートが鳴った。その日はゆっくり寝てゐられるはづだったが、自然な目覚めよりおそらく2時間ほど早く起こされてしまった。またも北朝鮮のミサイル発射である。TVが危機感を募らせるやうな報道番組を流してゐたが、言葉の本来の意味での「杞憂」だと私は思ふ。

 杞の国のある男が、天が崩れ落ちてくるのではないかと心配し、食事ものどを通らず夜も眠れずにいた、といふのが「杞憂」の由来だが、細かく言ふと、月や星が落ちてくることも心配したらしい。日本に落ちる心配のないミサイルにJアラートやエムネットをを発動して騒ぎ立てるのは、まさしく彼の心配と同じだ。不安を抱きながら屋内でじっとしてゐたといふ人もゐるやうで、それには失笑したが、自治体や報道機関の職員などは緊急出勤せざるを得ず、時間外手当だけでもかなりの損失だらう。また、交通機関が一時的にストップしたのも損失で、もしあと30分くらい遅ければ企業の活動にも影響が出ただらう。

 そんな損失を強いてまで発動させるのは、安倍政権の策略といふ印象がある。つまり危機感を煽って安保法制の正当化や戦争ができるやうにする改憲への機運を高める狙ひだ。私は、自衛隊の明確な位置づけや自衛戦争を肯定するための改憲には原則賛成の立場だが、理屈でなくムードで進めるのには賛成しない。特に安倍晋三は戦前回帰を目論んでゐるので、彼の思想が色濃く出る改憲には絶対反対である。

 Jアラートに敏感に反応する人は、失礼ながら判断力に乏しいと思ふ。しかし、ウソでも繰り返し言はれるとついには真実と思ってしまふのは人間の性で、ヒトラーはそれを利用した。安倍もヒトラーに倣ってゐるのかもしれない。やはり、彼にはできるだけ早く首相の座を降りてもらひたいものだ。

*9/27追記
 明日、臨時国会の冒頭で衆議院が解散される運びとなった。大義なき解散と言はれてをり、全くその通りなのだがもはやその流れを止める事はできない。この上は、安倍退陣が余儀ないほどに自民党を負けさせる事が望ましい。勝つのは、民進党でも希望の党でも共産党でも構はない。

 
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 今朝、北朝鮮がミサイルを発射し、襟裳岬東方1180kmあたりの公海に三つに分かれて落下した、といふニュースがあった。そして、政府は東北・北海道にJアラートを発信したといふ。私の携帯にも着信したが、別のところにゐたので気づかず、後で確認した。

 報道(「スッキリ」)によれば、発射は5:58、Jアラート発信は6:02、北海道上空通過は6:07頃、落下は6:12だったさうだ。そして、ミサイル発射直後にはそれを察知し、即座に軌道計算がなされてゐたといふ。自治体によっては避難を呼びかけたとも言ってゐた。

 さて・・・私の疑問はJアラートに意味があったのか?といふ事だ。軌道計算がすぐにできてゐたのなら、日本の領土や領海に落ちる心配はほとんどないといふ結論になったと思はれる。即ち、飛ぶのは500km以上の上空で、はるか東方に落ちるのだから、脅威があるとすれば、途中で異変が起きて領土や領海に落ちる事だらう。そこまで考慮しての事であれば一応は納得できる。また、その異変が爆発で、バラバラになって飛散するならかなり危ない。しかし、いづれにしても避難すればよいといふものではないだらう。

 つまり、もしさういふ事態になったとしても一般国民にはなすすべがない。ミサイルのまま落ちてくるならPAC3での迎撃に頼るしかないし、バラバラになって落ちるならPAC3での対応は期待できない。迎撃失敗やバラバラ落下の際、被害を受けるかどうかは運次第だ。そもそも、6:02にJアラートを知っても、異変が起きて本土に落下するまで5分ほどしかないのだ。

 であれば、Jアラートは気休めにしかならない。また、列車の運行見合わせなどがあったが、さういふ混乱を引き起こすことにもなる。とはいへ、国民の安全を守る政府としてはさういふ対処は必要、との考へを否定するわけではない。ただ、その有効性には疑問符がつくといふ事が言ひたいのである。まあ、ミサイル発射などないのが望ましいのだが、現実にはあまり期待できない。
 
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 今日は長崎に原爆が落とされた日だが、岡山大学で理学部教授を務めてゐた高校同期のO氏によれば、「そもそも原爆は軍事施設など強固な施設への破壊力は小さく、民間人や民家などが選択的に破壊されることは投下の時点ではっきり認識されていたので、兵器というよりは、殺人凶器と呼ぶのがふさわしい」といふ事だ。

 かういふ説明は今まで聞いた事がない。私の寡聞によるのかもしれないが、少なくとも盛んに言はれてきてはゐない。近年「大量破壊兵器」といふ言葉がよく聞かれ、それは核兵器が主なものと認識してゐるが、軍事施設をも破壊するといふイメージがある。72年前とは質が変化してゐるのだらうか。

 さておき、さういふ兵器を使ふのは非戦闘員を殺戮する事であり、東京大空襲などとともに許されざるべき戦争のやり方で、定かではないが戦時国際法なるものがそれを禁じてゐたやうに思ふ。いづれにしろ、これについて日本政府がアメリカに抗議してゐないのは不思議だ。韓国は慰安婦の件でしつこいほど日本に抗議してきたし、中国も南京大虐殺を抗議してゐる。いづれも正確な真実は確定されてゐないが、原爆は実態が明らかになってゐる。

 また、同氏は「実戦でその効力を確かめるために2度の投下が決められ、広島は平面地形、長崎は囲まれた地形であったことが選択理由であったようです」とも述べてゐる。つまり日本人は実験台にされたわけで、それは地形の事を除けば私も知ってゐた。戦争終結を早めるため、といふ理由もよく知られてをり、実際「本土決戦」には至らなかったのだが、それが免罪理由になるとも思へない。

 アメリカとはすでに65年間同盟関係にあり、歴代政権は常にと言へるほどその強化を掲げてきた。とはいへ対立する場面もあったわけで、同盟国だから抗議しないといふことにはならない。中韓も日本と国交があり、少なくとも建前としては友好親善を謳ってゐるが、それとこれとは別といふ姿勢なのだらう。日米間でも、友好とは別に「戦時中の非道を謝罪せよ」と言へるはづである。戦後のほとんどの期間が自民党政権であり、野党が「対米従属」と批判する事が多いが、その野党からも、原爆についてアメリカに抗議するといふ意見は聞こえてこない。対米従属を批判するのだから、仮にアメリカから睨まれても痛痒はないはづだ。ただし、少数の人がそれを主張してゐるのは知ってゐるが、影響力が小さいせいか、世論を形成するには至ってゐない。


 田原総一朗ではないが、政治生命を賭けてでも対アメリカ抗議を主張する有力政治家が現れないものだらうか。ひょっとすると、彼が首相に提案したのはその事?もしさうであってしかも実行すれば、安倍晋三をほとんど評価してゐない私も彼を見直すのだが・・・。
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