この社会は悪い方向に進んでいる?  その1

 日本の社会は悪い方向に進んでいる、そういう声は時々聞かれるが、果たして本当にそうなのだろうか。少し念を入れて考えてみたい。

 その理由に挙げられることはいくつかあるが、代表的なものは人間関係だろう。人と人とのつながりが希薄になっていることが様々な問題の起点となっていて、総じて「殺伐とした世の中になっている」という言い方である。
 しかし、私が新聞を読むようになった五十年ほど前にも、その種の言い方がすでにあった。そしてそういう声は絶えたことがない。してみると世の中は悪くなる一方なのだろうか。逆に「いい世の中になったものだ」という声もしばしば耳にしてきた。それは主に物質的な豊かさや、生活の利便性について言われている。
 そこで、「この社会は、物質的には豊かになったが精神的には貧しくなった」、あるいは「この社会は、物質的な豊かさと引き換えに精神的な豊かさを失ってしまった」とまとめられることが多い。

 物質的に豊かになっていることは言うまでもない。しかし精神的に貧しくなっているかどうかはそれほど明白ではないと思う。人間関係が希薄になっていることは間違いなく言えそうだが、それが即ち精神的な貧しさにつながるといえるのだろうか。逆に人間関係が精神の豊かさを阻害する場合も少なくない。
 1950年代半ば頃から60年代の高度成長期にかけて、地方の小都市や農村などから多数の人々が大都会に移った。彼らの中には「田舎の煩わしい人間関係から解放された」と喜んだ人も多いと聞いている。田舎と言えば、最近あまり聞かなくなった「因習」という言葉は否定的な意味で使われるが、それはもっぱら田舎にあって人間関係を前提にしている。それから脱却したいと思う者にとって、人間関係はストレスと感じられただろう。
 また職場の人間関係も往々にしてストレスになり、それに悩む人は数多い。ストレスは精神を貧しくする、とは言えないだろうがとりあえず豊かにはしてくれない。
                                                      (つづく)
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