電子頭脳

私が行った大学には「管理科学科」という学科があり、1年目の必修として「管理科学概論」という講義を受けた。教科書は、確か「電子頭脳」というペーパーバックで、前書きに「電子計算機」が「電子頭脳」と言える域に入ってきた、とあった。

 コンピューターの基礎の基礎をやったわけだが、最も得意とするのは情報検索だ、ということが印象に残っている。管理科学科には沖電気のコンピューターがあり、それはあるひと棟の大部分を占領していた。磁気テープがたくさんついていたが、トランジスタを使う、後に第二世代と呼ばれることになるものだった。

 それから40年以上経ち、第三・第四世代を経てULSICの第五世代に入っている。情報検索が大得意なのは現在も変わらないが、そのスピードはべらぼうに速くなったし、通信と合体することで検索の範囲もべらぼうに広くなった。先ほどの本の前書きに疑問符がつくほどのレベルだ。


 私の世代は大半がそうだろうが、電子頭脳といって頭に浮かぶのは、それを頭部に備えた人型ロボットのヒーロー、即ち鉄腕アトムだった。大きな部屋を占領するような代物は、「頭脳」ではなく「機械」だ。アイボやアシモの登場を見て、「おお、これこそ電子頭脳」と思ったのは私だけではあるまい。

 ところで、現在「電子頭脳」という言葉は全くと言っていいほど使われない。「コンピューター」すら単独ではあまり使われず、「パソコン」「オフコン」「スパコン」などが適宜使われている。しかし、コンピューターが計算機であることは間違いなく、膨大な量の情報から必要なものを探すのも二進法の計算によって行われている(ハズだ)。スパコンになると、その速度が1秒間に1兆回などという想像すらしにくいものらしい。

 そんなコンピューターにも苦手な分野があり、その最たるものは感情あるいは感覚だろう。鉄腕アトムは感情を持っていたし、ドラえもんやアラレちゃんにも感情がある。これらはフィクションゆえのことで、実際に感情や感覚を持たせるのは不可能ではないかと思える。


 碁打ちとして言えば、現在最強の対局ソフトは、一流プロとの13路を互角近くに打てるものだが、本来の19路ではアマの五段くらいにも歯が立たない。囲碁では「感覚」で着手を決める場合が少なからずあり、それは「計算」によって導き出されるものではない。ソフトと打つと、時々「何だこれは?」という手に出くわす。人間が打てば「感覚の一手」と評されるものだが、大抵は悪い手である。つまり対局ソフトには「よい感覚」がないのだ。だから、強い打ち手による「感覚の一手」に対抗できない。それが限界だと思われるが、将来もその限界を乗り越えるソフトが現れない、とは言い切れない。ただし、現れるにしても少なくとも私があの世に行ってから、という確信はある。

 ともあれ、ふと「電子頭脳」という言葉が懐かしくなっての駄文である。
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