「眼下の敵」

1957年のアカデミー賞作品とのことだが、私は小学生の時この映画のポスターを見ている。その時、「めしたのてき」と読み、母親に「がんかのてき」だと教えられたことをよく覚えている。

 ゲオで見つけて借りてきたのだが、とても面白かった。ポスターを見たとき、飛行機での戦争だと思いこんだのだが、アメリカの駆逐艦とドイツの潜水艦・Uボートの戦いを描いたものだった。

 Uボートの艦長は第一次大戦でも潜水艦に乗っており、その時に比べて戦争に人間味がなくなったと嘆いていた。「あの頃は必死に考えて魚雷の狙いをつけ、運が良ければ命中する、というものだったが、今は機械が計算してくれる、オレはただその通りに発射命令を出すだけだ・・・」

 これは、湾岸戦争のときの感覚と全く同じだ。あのときは、アメリカの戦闘機(爆撃機?)が標的を捕らえてミサイル(?)を発射する映像が流れ、「TVゲームのようだ」というコメントがキャスターから発せられた。視聴者も同調したはずだ。艦長は「この戦争には大義名分がない」とも言う。これは、アメリカ映画だからそう言わせたのかも知れないが、老境に入いろうとする彼の厭戦気分でもあろう。

 さて、圧巻はやはり戦闘シーンである。多分30分以上続いた。乗組員から「素人」と思われていた駆逐艦の艦長が凄く優秀で、魚雷の先制攻撃をかわし、爆雷で的確に反撃する。Uボートの艦長に「動きを読まれている、奴は悪魔か」と言わせるほどだった。それにしてもなかなか当たらないのだが、徐々に正確さを増し、副艦長らしき男は次は命中だと予想する。

 艦長は兵たちを離艦させ、時限爆弾をセットした上で、駆逐艦の側面に進路を取る。それを知った駆逐艦長も、離艦を命じる。最後まで残った両艦長はそれぞれの艦上で対面し、敬礼を交わす。しかし、Uボートにはもう一人重傷を負った兵がいた。救助を依頼された艦長はUボートにロープを投げ、協力して彼を駆逐艦に引き上げる。さらに艦長にも来るように手招きし、一旦は辞退したがロープを伝って上がってくる。

 明らかに死にかけている兵を見捨てるよう促されたUボート艦長は、「彼は友人だ」と言う。その一言で理解し、二人で兵をかばいながら上方へ避難しかけるが、そこへ救命ボートの兵達が戻ってきて三人をボートに乗せ、大急ぎで艦を離れる。

 そして間もなく時限爆弾が爆発するのだが、翌日(?)、救助に来た別の米艦の上で、戦死したドイツ兵の葬儀が行われる。白い布に包まれた遺体を乗せた板を傾け、海に落とす水葬だった。「永遠のゼロ」のエピローグにも水葬のシーンがあったが、映像で見てよくわかった。Uボートの艦長以下乗組員は捕虜だが拘束はされず、米艦長は独艦長にタバコを勧める。

 敵同士だが、軍人としての能力を互いに認めるようになり、人間としての触れあいもある。タバコを吸いながら、それらを踏まえたジョークがラストシーンで、何ともいい感じだった。
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