この社会は悪い方向に進んでいる?  その5

 少し昔に遡りすぎたかも知れない。現代人が「今は云々」と言う時、比較している「昔」は十数年前からせいぜい六十年ほど前と思われる。私が物心ついたのは五十数年前だが、家電製品のさきがけとなった電気釜が爆発的に売れ出したのは、東京タワーが完成した1958年頃であり、「三丁目の夕日」に情景が描かれた時代だ。そして間もなく高度成長が始まるのだが、その頃を振り返って、庶民は皆寄り添って生きていた、健全な地域社会があり、悪さをするガキは見ず知らずの大人からも叱られたものだ、物はなかったが心は豊かだった・・・などと言われる。この場合「物はなかった」というのは、社会全体の絶対量もさることながら、次々に欲しい電化製品が現われたが、大半の家庭にはまだそれらがなかったことをより意識しているようだ。
 だから、お前の言うことはマクロでは正しいかも知れないが、ミクロの庶民にとっては「物はなかった」のだ、という反論が成立するかも知れない。だがそうだろうか。現代の庶民にも、欲しくても買えない物はたくさんある。超薄型テレビ、今より高級な車、広い家等々・・・。それらはすでに持っている物のレベルアップだから50年前とは違う、とは言えるだろう。
 では30年前はどうか。テレビはすでにほぼすべての家庭でカラー、大型・高級への買い換えが始まる少し前だった。自家用車はまだ少なかったが珍しいというほどではなく、持つ者は2~3年以内の買い換えを検討していたし、持たない者にも手が届きそうになっていた。持ち家はと言えば、建て替えを含め、住宅ローンのおかげで頑張れば可能という状況、アパートのレベルアップなら物件さえあればすぐにもできたが、多くは持ち家を計画していた。
 というわけで、時代に関わらず、物の有る無しと庶民の物質欲の関係はあまり変わっていないと思う。
                                                       (つづく)
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1949年1月生まれ、還暦を期にブログを始めました。記述することは多岐にわたります。
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