この社会は悪い方向に進んでいる?  その6

 では、地域社会のありようはどうだろうか。50年前と言わず20年前に比べても、他者との関係が希薄になっているのは明らかだ。隣人の職業や家族構成くらいは知っていても、数軒先になるともうわからない。隣に味噌や醤油を借り行くことはおろか、作った料理のやりとりやもらい物のお裾分けもない。悪ガキや品行の悪い者に注意する大人もほとんどいない。それを地域社会の衰退と呼ぶが、この変化には時代背景がある。
 一つには、豊かになって寄り添う必要がなくなったことがある。それぞれが自分の力で生きて行ける時代になっているからだ(現在は不況や労働環境の変化でそうとも言えないが、ここでは触れない)。だから隣人や地域の人との交際は必要最小限でいいと考えられるようになったのではないか。
 また、他人より自分の方が大事なのは今も昔も変わらないが、時代と共に勢力を増す「個人主義」が、大事さの差を広げている。他人の大事さが小さくなれば、関心が薄れるのは当然、と言うよりこの二つは表裏一体だ。「個人主義」の浸透については、封建社会から資本主義社会へ、そして金融資本主義社会へと移行してきたこの国の歴史と密接に関連させ、さらには、敗戦前にピークを迎えた全体主義の弊害への反省あるいは反動をも絡めて、壮大な変化の中で語られるべきことだと私は考える。
 そんなに大上段に振りかぶらなくても良さそうなものだが、次に述べることとの関連で踏まえておきたかった。
 ところで、地域社会の衰退は心の貧しさに関係があるのだろうか。それが復活すれば心の貧しさが救われるのだろうか。昨今地域社会の再構築が叫ばれている。それは防犯の観点とともに、地域のみんなで子供を育てようという意味も持っている。まさしく、悪ガキを叱る大人の再登場なども期待されているわけだが、地域社会の衰退はさきほどの「大上段」に関係してくるので、再構築は極めて困難と言わざるを得ない。だから心との関係は当分確かめようがない、と私は考える。
                                                      (つづく)
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