原発は危険か?

日本では、沖縄電力以外のすべての電力会社が原発を持っている。昔の発電は水力と火力でまかなわれていたが、次第に火力が主流になり、その火力は石炭から石油に移った。その次が原子力である。

 私が小学生の頃、原子力は夢のエネルギーと言われていた。実際、北電は泊原発だけで全道の約4割を発電している。しかし、実用化に向けての最大の課題は安全性だった。被爆国としてのいわゆる核アレルギーがあるので、他の国より安全性の確保は念入りに準備され、そのPRにも力が入れられてきたように思う。なにしろ、放射能漏れを伴う事故が起これば、その影響は水力や火力の比ではないのだ。

 特に地震や津波への対策は万全を期したはずである。日本が「地震津波大国」であることは小学生でも知っているが、ほとんどの原発は、津波をまともに受ける海辺に立地している。従って、建築物としての耐震性はもちろん、津波が来たときへの備えも安全性の絶対条件で、当然それらも考慮して安全であることが強調されてきた。

 ところが悲しいことに、人間の知恵は過去の経験から生まれるものだ。津波対策も、信頼できる記録の最大規模を超えてなされていたと思うが、それでもこういう事態になった。「杞憂」の故事を引くまでもなく、経験を遙かに超える災害を想定するのは無意味なこととされるのが普通だ。福島の事故も、津波の規模を見誤ったためと言うのは簡単だが、では、誰か見誤らなかった者がいるのだろうか。「想定外」と言うのは逃げだ、という批判があるようだが、結果論でしかないと思う。

 もっとも、千年以上前の平安時代に、同じ地域でほぼ同レベルの津波があったことが記録に残っているそうだが、当時は辺境の地だったので信憑性に疑いがあり、一般には知られていない。ごく最近になって地層?で確かめられたという。現地の研究者は、それをもとに独自のハザードマップを作るなどの行動を始めたそうだが、それが去年のことだ。国民一般とは言わないまでも、国の主だった者に浸透するにも時間が足りない。

 研究者が電力会社に教えていたかどうかは知らないが、仮に電力会社がそれを知り、防波堤増強などの具体的な対策を考えても、実行まで数年を要しただろう。だから、今回の地震と津波があと10年遅れて発生すれば、あるいは福島の事故は起きなかったかも知れない。もちろんこれも結果論である。

 
 というわけで、「原発は危険か?」という問いには、事故への備えを考慮しないと答えの出しようがない。その意味では「刃物は危険か?」と問うようなものである。刃物と並列させること自体おかしいと言われればそれまでだが、科学技術は諸刃の剣であり、火を使い始めて以来、人類永遠の課題であることは間違いない・・・と私は思う。


 なお、広瀬隆氏のように、原発を使わず、火力を中心に電力はまかなえると主張する人がいることは知っているが、それが正しいかどうか、私には判断できない。


 
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