面白かった事件

ある会社の支店勤務のころの話・・・


 そこには組合の支部があり、役員は1年の任期だった。毎年改選されるのだが、なかなか立候補者がおらず、現在の役員が1本釣り方式で依頼して支部総会で承認をとりつける、というパターンが多かった。

 ある年の改選もそのように候補者がそろえられたのだが、そのうちの一人に対し、「あいつにはやらせたくない」という声が一部でわき起こった。

 一部とはその当人(F)の属する課であり、皆で集まってなんとか阻止しようということになった。実は私もその声を上げた一人であり、その会合で、総会でどう行動するかのシナリオを作った。席の取り方から発言の順番や内容まで指示したのだ。

 さて当日、議長は、候補を一括承認する「シャンシャン総会」を想定していたが、トップバッター(I)がきちんと選挙をしてほしいと発言し、そうはならない状況になった。議長の意見を求める声を待って、私が、役員改選に関する規約を取り上げて選挙すべきと主張した。ところが、前委員長が、誰もやりたがらないからこのように候補を選んで一括承認という流れになったのであり、規約をタテにとるのはおかしい、というような発言をした。私は再度発言を求め、あくまでも規約に則った形で改選を行うべきと強く主張した。その他、シナリオ通りの発言を含めて議論が進んだが、結局採決となり、選挙をすることに決した。

 次の出番は新人で、「入社したばかりで人物がよくわからない、白票でも良いのか」という質問をした。それには議長からOKの回答があったが、これは当然想定してあった。

 そして投票となり、首尾良くFは落選した。Fは他の課でも人気がなかったのだが、それも考慮に入っていたことだ。

 それから先のことは割愛するが、とにかくほぼシナリオ通りに事は進んだのだった。そして、「一連のことはFの役員就任に反対する連中が仕組んだことで、首謀者はI」という印象を多くの人が持った。FとIが不仲なことを皆が知っていたからだ。私は彼女たちより社歴が浅く、形式的に規約云々を主張しただけで、シナリオライターとは誰も思わなかったようだ。あくまでも黒幕を通せたわけである。


 ところで、議長と私は結構親しかった。それで、後日電話で話し合ったのだが、前記の印象はその議長から聞いたのであり、彼女自身も、あそこまで周到な準備をしていたとは思わなかったと語っていた。そして数年後、双方とも退職した後に会う機会があり、「実は・・・」という話をした。「Iさんにあんなことができるとは思っていなかったが、黒幕はやはりあなただったか」という反応だった。うすうす感じていたらしい。



 とにかく、学生時代の経験や勉強が役に立った、とても面白い事件だった。
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