「ご公儀」?

 NHKのドラマ「薄桜記」(第二回)を偶然見たのだが、主人公を大阪勤務から江戸に戻す辞令を伝えるシーンだった。任期が残っているため、主人公が自分に落ち度があったのかを上司に尋ねると、彼は「わしがご公儀に申し出た」と言い、その理由を告げる。

 「ご公儀」?・・・公儀とは、この場合幕府あるいはその機構の上層部を指しているのだが、それに「ご」をつけるのは初めて聞いた。現在、その意味での使用は時代劇の中だけだが、「水戸黄門」では、黄門が悪代官をひれ伏させ、「公儀より厳しき沙汰があるものと心得よ」などと言う。庶民が改まった場所で「ご公儀は云々」と言うのはありそうだが、聞いた記憶はない。

 このドラマの上司は、最上層ではないにしろ自身が公儀の一部であり、そういう立場の者が「ご公儀」と言うのか、大いに疑問である。現代に移せば、課長が平社員に対して「私が社長(常務や部長でも)様に申し出た」と言っているのに等しい。あるいは「ご政府」とか「ご皇室」と言うようなもので、あり得ないと思うのだが、はたして江戸時代にはそういう言葉遣いがあったのだろうか。


 私の感覚では、近年の過剰敬語風潮がドラマにも反映したように思われる。原作は五味康祐、脚本はジェームス三木となっていた。演出は名前は忘れたが知らない人、ちょっと詳しく調べてみたくなった。
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まとめ【「ご公儀」?】

 NHKのドラマ「薄桜記」(第二回)を偶然見たのだが、主人公を大阪勤務から江戸に戻す辞令を伝えるシーン

まとめ【「ご公儀」?】

 NHKのドラマ「薄桜記」(第二回)を偶然見たのだが、主人公を大阪勤務から江戸に戻す辞令を伝えるシーン
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この件について、NHKに質問のメールを送っていたのだが、今日回答があった。主要部を抜粋すると・・・


「より高次の役所(幕閣)を、より権威づけるために、上司である頼母が、部下の典膳に「ご公儀」と、やや勿体つけた言い方をしたというねらいで、使用させて頂きました。
 ただ、ご指摘の点もよく分かり、今後、さらに注意してドラマ作りをしていきたいと思います。」


 つまり、当時(元禄時代)そういう言い方がされていた、という時代考証に基づくものではないようだ。

 「勿体つけた言い方」として適切なのかどうか、私にはわからないが、現代の過剰敬語が反映しているのは間違いない。


 ついでながら、「使用させて頂きました」というのは、例えば、誰かが考案した技術を使ったことを当人に報告するとき、などが本来の用法だ。この場合は「使用しました」で何の失礼もなく、謙譲語を使ったところで、私に敬意をはらったことにはならない。こういう不適切な過剰敬語を言葉遣いの見本とされるNHKの人間も使っているわけだ。
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