「皇后さま」

 平成になってすぐかどうかは不明だが、いつの間にかこの呼び方が定着している。昭和の時代は「皇后陛下」しか聞いたことがなかった。しかし「天皇さま」とは言わず、一貫して「天皇陛下」である。何だかつりあいが取れないが、これは正田美智子さんが「皇太子妃殿下」になった50年前から、皇室への親しみの度合いを増した国民感情によるものだろう。

 50年前から20年前にかけては、「美智子妃殿下」、「皇太子妃美智子さま」、それに「美智子さま」という呼び方が使い分けられていた。だから、時代をずらせば「雅子妃殿下」というのもあって不思議でないが、ほとんど聞かない。そして「皇太子殿下」もあまり使われず、「皇太子さま」の方が頻繁に使われている印象だ。

 ただ、二人まとめて呼ぶ際は「天皇皇后両陛下」、「皇太子殿下ご夫妻」あるいは「皇太子さまご夫妻」だ。そしてここでも「殿下」は頻度が低いように思う。

 こういう傾向は今後も続くと思われ、「皇太子殿下ご夫妻」は徐々に姿を消してゆき、代わって「皇太子さまと雅子さま」という言い方が現われるだろう。女性週刊誌などではすでに登場しているかもしれない。そして次の代替わりを迎えると、「天皇さまと皇后さま」が「天皇皇后両陛下」を凌ぐことになるかもしれない。

 女性天皇になるかどうかの話題は影を潜めたが、「愛子さま」も学校では「敬宮愛子内親王殿下」ではなく「敬宮愛子さま」と呼ばれるらしい。ついでながら、若い世代には、「親王」「内親王」という言葉さえあまり知られていないと思われる。

 皇室が国民に親しまれる事に、格別問題があるとは思えない。イギリスでは、皇太子やその子供たちが気軽に街を歩き、一般国民と言葉を交わすことも珍しくないと聞く。いずれ日本でもそうなるだろう、とはしかし、なかなか言えない。「菊のカーテン」は、薄くなったり時々開けられることはあっても、取り払われることは考えにくい。それがこの国の性格なのだ。最近、国の性格について、特に千年以上維持されているものを「国柄」と言うことが多くなったが、賛否は別として、そういう国柄があるのは確かだと思う。もしその「国柄」の中に、「万世一系の天皇」という意識が含まれているなら、「天皇さま」は日の目を見ないかもしれない。
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