オランダの王位継承と女系天皇論議 その2

日本では、皇族に若い男子がなく皇位継承が危ぶまれる事態になっていたが、悠仁親王の誕生で一息ついたところである。とはいえ黄信号がともっていることは間違いなく、女性天皇・女系天皇についての議論が続いている。女系反対論の多くは、「伝統が変更されるのは大問題」という考え方がベースになっている。

 そして、単純に千数百年続いた伝統を守るべきということから踏み出して、女系継承は王朝交代を意味し、「神武以来」が崩壊してしまうとする。甚だしいのは「皇配」を出した家による皇室乗っ取りを心配する。

 だが、オランダを見れば、私を含む女系に反対しない立場のヒントになるだろう。王朝交代というのは男系継承を前提とした考え方で、女性天皇の「皇配」を祖とする○○家が新王朝になるとするものだ。しかし、男女の別なく長子継承にすれば、男系男子が三代続く確率は八分の一、四代なら十六分の一でしかない。二代でも王朝と言えるかも知れないが、せいぜい四代以下の王朝がころころ変わると考えるより、現在の王朝(皇室)が男系女系取り混ぜて連綿と続くと考える方が無理がない。オランダでも「女系女王」は二代しか続いておらず(ウィルヘルミナは男系女王)、新国王は女系男王だが、そんなことより「オラニエ・ナッサウ王朝」の七代目でスッキリする。

 日本の皇室論議はイギリスを参考にする事が多く、よくハノーバー朝とかウィンザー朝とか言われる。確かに、女王の配偶者に外国の王族や貴族を選ぶのでそういう見方が成立しやすいが、イギリスが君主を戴く国の標準モデルというわけではないだろう。

 そして、女系でも天皇家の血筋は守られる。男系男子継承という伝統を破るのは間違いないが、天皇を崇める立場の者が、それに固執して天皇家が断絶するかもしれない方を選ぶのは自己矛盾に見える。だが、彼らの少なくとも一部は、女系天皇は「天皇」とは認められず、女系天皇が登場したとたんに日本国は滅びる、という考え方らしい。つまり、男系男子(まれに男系女子)の天皇を戴くのが日本という国の形であり、それ以外の形は「日本」ではないというものだ。これはもう「神武以来」という信仰に近く、議論にはならない。(おわり)
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春海さん

これへのコメントは、私がブログで述べた処と関連します。そしてそこでは、さらっと書いていて趣旨が読者に伝わらなかったかもしれないと思うので、申し訳ありませんが、私のブログのコメントに私見を述べます。
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