「人口に膾炙する」

 この言葉を知ったのは高校時代だが、なんでこんなにわかりにくい字なのかと思ったものだ。「膾」も「炙」もそれまで知らなかったし、それぞれの意味も教えられた記憶がない。だから、読めるけれど書けない言葉だった。

 ただ、「膾」を「なます」と読むこと、「炙る」が「あぶる」であることを比較的近年知るようになってはいたが、「膾炙」とは結びついていなかった。


 さて、「膾」は生肉を細く切ったもの、「炙」は火の上に肉を乗せた象形文字、ということを「漢字の字源」という本(阿辻哲次・講談社現代新書)で知った。つまり「膾炙」とは、肉の刺身と焼き肉のことであり、美味な料理の代表という位置づけらしい。そこから、「ある人物の素晴らしい行動や優れた詩文などが多くの人によって口にされ、世間に広く知れわたること」を「人口に膾炙する」というようになったそうだ。熟語としての「膾炙」の最も古い用例は「孟子」にあり、それを出典としてこの成句ができたという。

 
 ところで、おせち料理の中にある、大根とにんじんを千切りにして酢に漬けたものも「なます」という。子供の頃それを知り、「なます」は「生酢」だろうと勝手に思っていた。だから、剣の勝負に際して自信のある方が「なますにしてくれる」と言うのを漫画などで見聞し、どうもよくわからなかった。しかし、「膾」は本来生肉であり、野菜の千切りを同じに呼ぶのはその派生であることもこの本で知ったので、ようやくスッキリしたことである。


 そういうことがわかって、今後は読めるだけでなく書けるという自信がついた。しかし実際に書くことはなさそうだし、仮に書く場合もワープロで変換することになりそうで、そのうち書けなくなるような気がする。



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