「永遠のゼロ」をめぐって

 2009年9月にこの本の感想文を書いた。昨年映画になり、それも見たのだが、おおむね原作に忠実な作品だった。ところで、最近この作品(小説・映画)に対する評価が話題になっているようだ。

 本屋大賞をとったこともあってベストセラーになり、映画化もされたから話題になるのは当然だが、そのなり方に特色がある。一つは特攻を美化しているのではないかという批判があること、もう一つは百田氏の最近の言動から彼を右傾した人物と見、それを作品の批評とからめる傾向があることだ。

 作者と作品が密接なつながりを持つのは当然なのだが、どうも、言動を重視しすぎて作品の理解に悪影響を及ぼしているように見えるのだ。私は彼の言動を少ししか知らないので、そこから彼の思想について何か言う資格はない。だから、あくまでも作品から思想を読み取るわけだが、この作品が特攻を美化しているとは全く思えない。また、軍部を批判する視点で書かれていて、いわゆる大東亜戦争肯定論にもなっていない。もっとも、誤った戦争としているわけでもなく、要するに、戦争の是非はさておき、その状況を所与のものとして、戦術的に軍部を批判し、海軍航空隊に身を置きながら生きて帰ろうとした若者を肯定的に描いているのだ。

 だから、よく言われている(ように見える)百田氏の右寄り思想や、私が部分的に知っている安倍晋三との対談での発言が結び付かず、少し戸惑っている。もっとよく彼を知らなければその戸惑いは解消されないだろう。


 さておき、映画を見た若者が「特攻隊員を尊敬する」と語ったとか聞くと「え、なんで?そういう思いを抱くような映画ではないでしょ?」という気持ちになる。小説も同じなのだが、特攻を美化しているとか、特攻隊員を尊敬するとかの反応は、読み方(見方)に問題があるとしか思えない。私に言わせれば、そういう読解力・理解力の低下こそが問題である。
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