反日と嫌韓で思うこと

韓国の客船が沈没し、かなりの死者・行方不明者が出ている。こういう場合、彼らの家族などへの同情や原因の究明といった報道が流れる。今回ももちろんそうだが、それに加えて妙な感情論が聞こえてきている。

 韓国内で、日本製の船だから沈んだのだという声があるらしく、それに対して、日本では「ざまーみろ」という言葉が一部で飛び交っているという。

 報道によれば、その船は確かに日本製で、以前日本で就航していたが、中古として韓国に売られ、なんらかの改修をほどこして使われていたそうだ。そして、原因はまだはっきりしていないが、急な旋回をしたために積荷が偏り、バランスを失ったという見方が今のところ有力なようだ。

 従って、というか元々、日本製だから沈んだということに何の根拠もないのは誰にでもわかるはずだ。にもかかわらずそういう声が上がるというのは、韓国内の反日感情の高さを表しているわけだが、日本での上述の反応も、いわゆる嫌韓グループのレベルもかなり上がっていることを示している。


 何というか・・・双方ともに情けない、というのが私の感想だ。どうしてこんなことになったのだろうか。韓国の反日感情は今に始まったことではないが、日本の嫌韓はここ20年くらいの傾向と思われる。そして竹島問題からレベルアップしてきたようだ。


 韓国人だけでなく、朝鮮半島人には「恨」という感情が強いと言われている。400年以上前の秀吉の朝鮮出兵をいつまでも「恨」の感情で語るそうだから、わずか70年前に終わった日韓併合を恨みとともに語るのは当然だろう。一方日本人には、朝鮮人をさげすんできた歴史がある。まさに日韓併合時代のことだが、彼らを「チャンコロ」あるいは「チョン」という蔑称で呼び、関東大震災のときには「不逞鮮人」が井戸に毒を流し込んだというデマに基づいて朝鮮人を殺したと聞いている。ちょっと脱線するが、「バカでもチョンでもできる」という言葉があり、私も少年時代から知っていて時に使うこともあるが、この「チョン」が朝鮮人の蔑称だというのを知ったのは、わずか数年前のことだ。


 そんなわけで、反日と嫌韓はお互い様という面があるのは否めないが、千年単位で歴史を見れば、少し違ってくる。飛鳥時代には、多くの人々が半島から渡ってきた。当時の朝鮮半島は、大陸ほどではないが先進文化地域であり、彼らの多くは半島内の戦乱の影響で列島に退避してきた上層階級で、知識や技術を倭国にもたらした。その戦乱には倭国もかかわっており、百済と友好関係にあった倭国は、百済の滅亡に関連して白村江で大敗を喫している。

 さらにさかのぼれば、まだ国というものが形成されていない頃、日本海沿岸は相互に交流があり、特にその南部では九州西北部・山陰・北陸・朝鮮半島東南部などが一つの文化圏を構成していた。言語的に朝鮮語と日本語が近い関係にあるのもその傍証で、もとは一つの言語の方言くらいの差だったという可能性もわずかだがある。そして、日本海を跋扈した海賊と以前言われていた倭寇は、その時代からの生き残り、国家を形成しない海の民で、半島・列島間の物流をある程度担っていたというのが現在の解釈だ。


 そういうことが韓国でどれくらい知られているか、よくわからないが、日本は元々朝鮮半島人によって作られた、とする韓国での説を聞いたことがあるので、一般人にもそこそこ知られていそうに思う。日本ではまあまあ知られている、という程度ではないかと思う。さておき、半島と列島の関係が疎遠だったのは平安時代から戦国時代にかけてと鎖国時代、とおおざっぱには言えるだろう。

 すると、ざっと二千年のうち、はっきり関係が悪かったのは二つの時期、あわせてせいぜい4~50年ということになる。もっとも、良好だったと言える期間は数百年ありそうだが、わからないことが多い遠い昔なので、印象が薄いのは仕方がない。とはいえ、恨みは千年たっても忘れないが好い関係はあまり思い出さない、というのは情けない。それは日本の嫌韓にも言えるのだが・・・。


 ともあれ、現在の状態が双方にとって不幸であるのは間違いない。なんとか脱却できないかと思うが、百年単位の時間が必要なのかもしれない。


 
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