朝日の「罪」

  朝日新聞が、いわゆる従軍慰安婦に関するこれまでの記事が虚偽だったと認める発表をしたという。その記事を読んでいないので他のソースによる理解だが、吉田某という人物による大元の情報が虚偽だったらしい。当人もそれを認めているという情報もある。

 これはかなり重大なことだ。慰安婦がいたことは確かだが、その女性たちを軍が関与して強制的に徴集したという部分がこれまで問題にされてきたわけで、特に朝鮮人女性がその被害者になっていたという事が日韓関係に悪影響を与える理由の一つだった。それが虚偽ということになれば、ここ20年来の論争は一体何だったのか・・・。

 私自身は、この問題に強い関心があったわけではなく、一般に流布されていることをほぼそのまま受け入れていた。しかし、その「一般に流布されていること」の多くは朝日の記事を発端として繰り広げられてきた軍批判である。そして、それへの反論を詳細に検討することはなく、いろいろ見聞してきた旧軍のありようから、自己を正当化するいいわけだろうと推断していた。

 しかし、それは誤っていたわけで、ここでそれを認めておく。ついでに自分なりの整理をしておくことにしよう。

 戦争は将兵たちに緊張を強いるものであり、それを和らげる必要がある。その方法としては娯楽が手っ取り早く、芸能人の慰安訪問はその一例だ。そして、将兵は男性なので性的欲求の処理も必要となる。位の高い将校などは都市部で花柳界に接する機会も多いが、一般兵士には敷居が高い。そこで慰安所という名の売春施設が設けられるわけだ。このことには女性の尊厳という大命題がかかわるが、今は触れず、古今東西の現実として認めておく。

 さて、その慰安所に勤務する女性達だが・・・現実としては貧しい家庭の娘達が大半だろう。売春は最古の職業といわれるくらいで、女性には手っ取り早く稼ぐ手段である。もちろんプライドを捨てねばならないし、偏見を受け入れる覚悟も必要だが・・・。平安時代の白拍子や、江戸時代の花魁にはそれなりのプライドがあったとも聞いているが、これはちょっとした脱線。

 その女性達を調達するのはいわゆる女衒の仕事だが、大戦中、前線基地での現地調達が強制的に行われ、しかも軍が関わったとすれば、やはり問題だろう。ただ、当時、売春は国家も認めていたし、しかも朝鮮は日本国だったのだから日本国籍の朝鮮人女性が軍用の慰安所に勤務しても何ら問題はない。だから、朝鮮を植民地化したのが「苦痛を与えた」ことで、その流れの中で慰安婦への処遇に言及することになる。つまり、国家権力を以て植民地の女性を苦界に落としたとすれば、やはり批判されるべきことだと思う。


 これまで私は、そういう姿勢でこの問題を見ていたのだが、軍が関与していなかったのであれば、仮に「女衒」が札束をちらつかせて「女狩り」をやったとしても、それは別問題というわけだ。

 さておき、戦後の朝日は、戦中時代への反省から国家権力をチェックする役目を積極的に担ってきたのだが、それゆえ、情報源のチェックや裏付け調査にぬかりがあったのかもしれない。それを考慮しても、罪は決して軽くはないだろう。
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