天皇の生前退位あるいは譲位

 天皇陛下が生前退位の意向を示したといふニュースが流れた。TVのワイドショーで知ったのだが、かなり複雑で重要な問題を含んでゐる。橋本大二郎と皇室ジャーナリストの神田某が解説してゐたが、それも参考に少し書いてみる。

 まず、皇室典範には退位についての規定がない。従って、退位を実現するにはその改正が必要になる。また、退位の理由は高齢と健康上の問題らしいのだが、現在の健康状態は公務に耐へられないほどとは認められず、摂政を置く条件は満たしてゐないとされるやうだ。

 公務の負担が重いことは想像に難くないが、公務を削減したり代役を立てることは望んでゐないと報道されてをり、ご自身にも摂政を置く意向はなささうだ。

 さて・・・高齢といへばエリザベス女王も高齢で、イギリスのメディアは、女王が同じ意向を表明されたなら国民は理解するだらう、といふ姿勢らしい。また、オランダではベアトリクス女王が3年前だったか退位してゐる。日本の多くの国民も、法的なことはさてをき理解を示すものと思はれる。私自身もさうである。

 いづれにしても、憲法にある通り、天皇の地位は「国民の総意に基づく」のだから、総意の表れとしての法律に縛られる。そこで典範改正が必須になる。すると、退位のことだけでなく、皇位継承それ自体についても、検討せざるを得ない。小泉政権のときの検討以来10年以上経ってゐるが、その間も民間ではいろいろ議論されてきたのだから・・・。

 天皇陛下は当然さういふことをご存じであり、異例を承知でご自身の地位について発言した(側近に意向を伝へたのだらうが)のはそれらを踏まえてのことと思はれる。であるなら、悠仁親王の誕生で皇位継承についての議論を(少なくとも公的には)中断したことを不満に思はれてゐるのかもしれない。

 ところで、退位と譲位はどう違ふのだらうか。文字を素直に解釈すれば、後継者を指名するかどうかだと思ふ。その前提での管見だが、歴史上単なる退位は皇極天皇だけではないかと思ふ。例のクーデターに際して、事情を知らなかった彼女が「もう辞めた」と言ったかどうかはさてをき、そのあと鎌足らが協議して軽皇子を即位させた(孝徳天皇)とされてゐる。また、淳仁天皇が、恵美押勝の乱に関連して退位「させられた」、といふ例はある。息子に譲位して自らは上皇として政務を執ったのが院政の時代だ。なを、番組では歴代天皇の半分くらいは譲位したと解説されてゐた。明治の皇室典範で、それができなくなったわけだが・・・。

 さてをき、面白くなってきたといふのが私の感想である。






 
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