「二重国籍」問題

 れんほう氏のいはゆる「二重国籍」問題は実にわかりづらい。国籍法は普通の人にはなじみのない法律で、私も存在することしか知らない。ましてや、他国の国籍法など考へた事もない。それがわかりづらい理由の一つだが、この一件で少しわかったのは、国際結婚によって産まれた子供の国籍についてである。

 その点、れんほう氏は「普通の人」ではない。国際結婚で産まれ、自分の意志で日本国籍を選んでゐるからだ。彼女はその時点で台湾(中華民国)国籍が抜けたと思ってゐたらしい。それが17歳のときで、父親に手続きをしてもらったが、台湾では中国語で行はれ、日本語しかできない彼女はその内容を理解してゐなかったといふ。年齢などを考へれば大いにありさうなことで、それ以来、特に国籍を意識することもなく過ごしてきたのだらう。その意味では「普通の人」とさほど違はなかったのではないだらうか。

 もう一つわかったのは、日本と台湾は国交がないため、台湾国籍の法的な扱ひは中国(中華人民共和国)籍とされるらしい。そして中国の国籍法では、二重国籍の子供が他国の国籍を取得した場合は自動的に中国籍を抜けることになってゐるさうだ。それならば、何も問題はないことになる。

 とはいへ、台湾も独立国なので、国籍法があってそれに基づく措置がある。それを確認したら、彼女には台湾の国籍もある事が判明しし、抜く手続きをとったとの事だった。

 もう一つわからないのは、問題が起こったとき、れんほう氏が終わり近くに「質問の意味がわかりません」と答へたことだ。それは先に書いた普通の人の感覚だったのかもしれないが、政治家としては適切でなかった。なぜあんな答へ方をしたのか、それがわからない。


 さて最後に、なぜ民進党代表選挙のさなかといふタイミングでこの件が取り上げられたのか、実はこれが最大の問題点である。ある人物の経歴を洗ひ、何か問題点を探し出して追求するといふのは、よくある政治的な手法である。政治と金にまつはる疑惑も、多くが政敵によるこの種の調査を発端とする。では、代表選に出馬した他の二人のうちどちらかが仕掛けたのか?同じ党内でそれは考へにくい。

 もっとありさうなのは、民進党に敵対する何者かが仕掛けた事だ。ネット上では、こんな人物が党首、ひいては首相の座を狙ふなどとんでもない、といふ言説が飛び交ってゐる。極端な例では、民進党は中国の手先で国益に反することを政策とする政党、ほら見ろれんほうは日本人ではない、といふやうな誹謗すらある。攻撃する材料さえあれば真偽など問はず大げさに言いふらす、といふ輩に「材料」を提供したのは間違ひない。

 あるサイトによれば、現在の内調は安倍晋三の私兵に近いので、仕掛けたのは内調かもしれないとしてゐる。それが事実かどうかはわからないが、あっても不思議でないといふ印象はある。

 とにかく、大元の出所は不明だが、れんほう氏個人といふより、民進党を困らせてやらうと考へた者がやったこと、とは言へると思ふ。私としては、この点が一番わかりやすい。

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No title

台湾国籍が中国籍として扱われるのは日本の扱いであって、台湾は独立国家として蓮舫氏を国民として扱っていたはずです。そのような事実を蓮舫氏が知らなかった、あるいは、台湾国籍を放棄したつもりでいたというのは、可能性としてはあり得ることですが、実際にはまずないことだろうと思います。国籍についてそんなに無頓着な人は通常いません。
だからこそ、雑誌で台湾籍だと答えたのでしょう。台湾籍だったと言ったのが編集で改変されたと弁明していますが、インタビューのやりとりは、そのような改変があり得る内容ではないだろうと思いました。

自民党政府はむしろ、今蓮舫氏の国籍問題が明らかになるよりも、後々まで火種として残しておこうというつもりだったように思います。法務省が調べれば彼女が二重国籍である事実は簡単に分かるはずです。すでに調べて知っていたが敢えて知らない顔をしていた感じがします。菅官房長官の言い方などに私はそのような感じを受けました。

現在の内調は安倍晋三の私兵に近いという言い方はおかしな言いがかりだと思います。政府機関は全て内閣総理大臣が究極的な意味では思い通りに出来るのが行政権のあるべき姿ですから、そのことを私兵と言って非難するのはお門違いでしょう。国籍問題などは内閣調査室など出てこなくても簡単に調べがつくことです。

蓮舫氏は二重国籍のことはよく承知していたが、日本国籍を持っている以上何ら問題は無いと思って高をくくっていたように私は思います。それがだんだんそれほど馬鹿にしていられるような雰囲気ではなくなってきたから彼女の答弁が少しずつ変わってきた。私はそう見ています。

No title

 僕は、「質問の意味がわからない」といふのが特によくわからないんです。それがみこさんの推測通りなのかもわかりません。

 ただ、一般的には「国籍に無頓着な人」が通常だと僕は考へます。国際結婚とか、留学とかに関はれば意識が高まるでせうが、かなり低率ではないでせうか。

 また、私兵云々がおかしな言ひがかりかどうかもわかりません。そのサイトでは一応根拠を挙げてをり、それが信用できるかどうか判断がつきません。

No title

芸能人がインタビューを受けているのではありません。彼女は政治家です。質問の意味が分からなければ「こういう意味ですか?」と聞き返して正確な答弁を心掛けることが要求される職業でしょう。

しかし質問は簡単明瞭でした。「台湾籍は無いということか?」という質問でした。それに対して「ごめんなさい。質問の意味が分かりません」と答えるのは、答えたくないから惚けているとしか私には理解することが出来ません。他にどういう理解が可能なのでしょうか?もし彼女が放棄したつもりでいた(後に彼女はそう説明した)のなら「はい、台湾籍は放棄しました」と何故答えなかったのでしょうか?私が惚けていると決めつけたのは、それ以外に理解のしようが無い答え方だったと思うからです。

日本に生まれて両親が日本人なら自分の国籍のことなど考えたことも無いでしょう。しかし両親の国籍が異なる場合には、自分の国籍に対して無頓着であることなどありえないと断言できます。国籍があるということは、パスポートも取れるし、選挙権もある。ビザや永住許可など無しに、その国に永住することもできます。反対に兵役の義務や国によっては人頭税を払う義務も生じます。彼女がそういった国籍から派生する諸問題に無頓着だったとしたら、政治家の資質は無いと言うべきです。

内閣調査室であろうと何であろうと全ての行政機関は内閣総理大臣の監督が及ぶのです。根拠を上げるまでもなく内閣調査室は安倍総理の手足として動くし、動かなければならないのです。それが政府機関と内閣総理大臣の関係です。安倍総理を批判するのは各人の自由です(私も何度か批判しています)が、もっと別のトピックを見つけなければ「お門違い」だよというのが、私のコメントの趣旨です。

No title

みこさん、僕が本文で「特によくわからない」としたのはさういふ(政治家として)ことです。それが「惚けた」のかどうかもわからない、と2番目に書きましたが、どうやらさうだったと今は思ひます。

 「私兵」については見解が異なりますね。おっしゃる事の意味は一般論としてわかりますが、それを指して「首相の私兵」とは言はないはずです。首相たる安倍晋三といふ人物個人の利益のために動く、といふ意味で使ってゐます。この場合は、安倍首相が本来の政策論争などではなく、搦め手から民進党を弱体化させるといふ意図を受けて・・・です。もっとも、おわかりでせうが、僕がさういふ見方を鵜呑みにしてゐるわけではありません。
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丸山恒平

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