子猫を捨てたこと

 ネット上の友人が猫のことを書いてゐた。

 野良猫が居ついたことや飼ひ猫のこと等が内容なのだが、その中に隣人が子猫を捨てたことが書いてあった。それで思ひ出したのだが、私も子猫を捨てたことがある。


 子供の頃、我が家では猫を飼ってゐた。飼い始めの記憶はなく、物心ついた頃にはすでに居たやうだ。餌は残飯だったが、時々ネズミを獲って母に褒められてゐた。私はその猫が好きで、一人の時は一緒に遊んでゐた。余談だが、母が夕食のために魚を焼き、それを食卓に並べて他の作業を台所でするとき、「猫が魚を獲るから見てなさいよ」と私に言った。私は、それが見張りをしろといふ意味であることに気づかず、黙った見てゐた。はたして猫は魚を咥へて走り去り、「猫が魚をとったよ」と報告すると、叱られた。しかし私は、「見てなさいと言はれたから見てたんだよ」と抗弁した。


 私はオスかメスかを考へた事はなかったが、実はメスだった。で、ある時4~5匹の子猫を産んだ。それを飼ふ余裕はなく、また他人に譲るといふこともなく、母は私と姉に捨ててくるやう命じた。その時の気持ちは覚えてゐないが、ミカン箱(だったか?)に子猫を入れ、それを抱えて近くの川に行った。そして岸辺で水に浮かべるとゆっくりと流れていったが、その時初めてかわいさうだと思った。子猫たちは、家に居るときからずっとミューミュー鳴いてゐたが、川の流れに乗ってもやはり鳴いてゐた。

 途中で誰かに拾はれたのか、4~5km先の海まで出たのか、まったくわからない。拾はれなければ、いづれ溺死か餓死しかない。その時は何も考へず、ただやるべきことをやり終えたといふ感じだったが、かわいさうだと思ったのは、漠然と死を意識したからかもしれない。その程度の幼さだったのだが、誰かに拾はれて生き続けてくれればよかったと、今にして思ふ。

 親猫もいつの間にかゐなくなってしまった。死んだのか家出したのか、それも覚えてゐないから、2年生くらいの時期だったらうか・・・。
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1行目の「猫のこと」に何気なくカーソルを合わせたら、私のブログ記事にリンクされていることがわかりました。有難うございます。

随分洒落た高級テクニックをご存知なんだなと驚きました。

この記事の内容は、大昔のこととは言え、随分切ない話ですね。普通は川に流しても、どこかの川岸に引っかかって止まってしまうものだと思うので、そこで誰かに拾われたことを祈ります。

それもあるか・・・

 川岸に引っかかって・・・といふのは気づきませんでしたが、いかにもありさうですね。

 リンクのさせ方は、最近息子に教わりました。

訂正

 姉にこの件を尋ねてみた。すると、実際の方法は袋に入れて橋から落とした事、命じたのは母ではなく父だった事、時期は4年生くらいだった事がわかった。

 その方法なら溺死したものと思はれるが、60年近く前の記憶はやはり曖昧だ。
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丸山恒平

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