北方領土問題で知らなかった事

 今日(12/15)、安倍プーチン会談が行はれ、何らかの進展があるのではないかと期待されてゐる。それは終わってみないとわからないが、かういふ記事があった。

 知らなかったといふのは、1992年に日ロ外相会談があり、コズイレフ外相が秘密提案をしたといふ事だ。その内容は、「(1)歯舞、色丹を引き渡す手続きについて協議する、(2)歯舞、色丹を引き渡す、(3)歯舞、色丹問題の解決に倣う形で国後、択捉両島の扱いを協議する、(4)合意に達すれば平和条約を締結するというものだった。」

 当時はソ連崩壊の直後で経済は混乱してをり、ロシアは弱気になってゐた。だから譲歩したらしい。日本の外相は渡辺美智雄だったが、四島一括といふ政府方針を変へず、そのうち更に譲歩するといふ希望的観測に立って、この提案を受け入れなかった。しかし、その後ロシアは持ち直し、更なる譲歩どころか後退した。日本は最大のチャンスを逃した、と筆者は言ふ。


 私は、以前もここで書いたことがあるが、二島返還で手を打つしかないと考へてゐる。19世紀の日露和親条約以来、両国は領土に関していくつかの取り決めをしてきた歴史があるが、1956年の日ソ共同宣言が最新のものだ。その前に第二次大戦があり、現状はその結果生じてゐる。周知の通り、ソ連は日ソ不可侵条約を無視して樺太と千島に侵攻した。背景にヤルタ協定があったのだが、日ソ間で考へれば不法に占拠した事は間違ひない。

 その事を、日本はずっと四島一括返還の根拠の一つとしてきた。しかし、条約を無視して侵攻といふのは、あっても不思議ではない事だ。この記事の筆者は、戦争で奪はれた領土は戦争で取り返すのが基本と書いてゐる(戦争せよといふ意味ではない)。日本がそれをしなかったのは、第一に壊滅的な打撃を受けた状態でそんな力がなかったからだ。そして占領時代に入り、新憲法で戦争を放棄する。戦争は憲法上からもできない。だから外交交渉で・・・となるのだが、その成果が共同宣言だ。

 しかし、その後日本は四島一括返還を主張するやうになる。理由はいろいろあるのだが、ソ連・ロシアから見れば共同宣言の無視だらう。その意味では、不可侵条約を無視した事と似てをり、ソ連もそれを指摘してきた。一昨日、偶然プーチンへのインタビューをTVで見たが、そこで彼も共同宣言が出発点と言ってゐた。

 一般に、戦後処理は何かと面倒なものだが、日ロ間ではもう70年も済んでをらず、異常と言ふべきだ。そろそろ終わらせないと既成事実の重みが増す一方で、百年二百年ともなれば旧島民といふ言葉すら消えてしまふかもしれない。一方で、ロシアの島民は5代目6代目・・・となり、帰属問題って何のこと?となるだらう。

 さて、安倍首相はどういふ姿勢で臨むのか・・・・・・

 
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No title

鈴木宗男氏によると、2島返還の場合、陸地面積としては4島全体の7%に過ぎないけれども、それに伴う海洋権益が馬鹿にならないそうで、多くの人はそこに気づいていないと言っていました。

私も経緯と正義がどうであれ、4島全部というのは今更無理だろうと思っていますが、島から追い出された人達からすると国賊ものの主張になってしまうのですかね。

No title

 200海里が国際標準となったころ、主に漁業の分野で二島でもかなりの利益になる事に気づきました。漁師たちには当然わかる事ですが、だから二島でいい、とは表だって言ひにくい空気が支配してゐました。それが、「多くの人に知られてゐない」事の大きな理由にもなったのでせう。

 現在は元島民やその子孫も現実的になってきてをり、「国賊もの」といふ見方はしないと思ひます。

 ともあれ、今回の首脳会談の成果は、安倍首相の自画自賛とは異なり、実質ゼロに近いと僕は見てゐます。
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