全文全訳古語辞典

 趣味といえるほど、以前はよく立ち読みをしたものだが、ここ数年はその”趣味”から遠ざかっている。今日、久しぶりに1時間ほど本屋で時間をつぶしてきた。ある本の「あとがき」と「序章」を立ち読みし、欲しくなって買ってきた。それと、面白い発見をひとつしてきた。

 時節柄、高校生のための辞書のコーナーがあっったのだが、ある古語辞典に「全文全訳」という枕詞がついていた。

 「なんだこれは?」と思い、なかみを確かめてみた。すると、よく教科書に出てくるものの一部とか、有名な和歌などがまさしく全文全訳してあった。他の辞書を見ると、やはり「全訳」というのが多かったが「全文全訳」はそれだけだった。そして、「全訳」でも和歌は全部を訳してあった。

 親切といえば親切だが、私はむしろ「大きなお世話」ではないか、という感じを抱いた。語意を辞書で調べ、助動詞の意味や接続を確かめながら全文を訳していく、というのが昔、少なくとも私の高校時代の勉強法だった。これは古文に限らず、英語や漢文でも同じだ。それを分かりやすいように解説するのが、教室では教師の、家庭学習では参考書の役目だった。

 今もそれは変わっていないと思うが、辞書に全訳が載っているというのは、生徒にとってありがたいことなのだろうか。もし訳文を丸暗記しようとするなら、ありがたいに違いない。あるいは簡便に全訳を知りたい場合もそうだろう。しかしそれらは勉強法としては邪道だと思う。

 辞書も商品だから、出版社は買い手の望むものをつくるのは当然だ。とすると、今の高校生にはそういう邪道の勉強法が広まっているという推定ができる。もちろん、古文の好きな生徒や、国文学科を目指す生徒は邪道をとらないはずだから、単位をとるだけ、あるいは理系を目指す生徒たちがそういう方法をとっていると思われる。そう考えると、それはそれでいいのかな、という気もしてくるが、邪道であるという意見を訂正するつもりはない。
 
 ちなみに、15年ほど前に高校生になった息子の古語辞典が手元にあるが、それは私の時代と同じ作り方になっており、「全訳」が登場したのはそれよりあと、「これ一冊で古文がわかる」などと腰巻きに書いてあったから、おそらくここ数年のことと思われる。まあ、高校生も何かと忙しいようで、こういう辞書ができてくるのも時代の流れなのだろう。


 
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