「安倍晋三暗殺計画」

 物騒なタイトルにしてみたが、さういふものがあると聞いた事はないし(あっても表沙汰にはならないが)、私が計画を練ってゐるわけでもない。その意味は、安倍晋三が推し進める戦前回帰を止めるにはもうこれしかないのではないか?といふ事である。

 安倍は「日本をとりもどす」とか「美しい国日本」とかのキャッチフレーズを掲げてきたが、第二次安倍政権の誕生から3年半を経た現在、その「とりもどすべき美しい日本」とは、帝国憲法下の日本に近い事がわかってきてゐる。「戦後レジームからの脱却」といふフレーズも使ってゐたが、脱却した先に見据えてゐるのもそれだと思はれる。

 国民の中には、さういふ動きを阻止したいと考へる人も多いが、歓迎する人もかなり多いやうに見える。民意を反映する選挙では自民党が圧勝してをり、公明党を合わせた議席は改憲発議が可能な数になってゐる。それをバックに改憲を目指してゐるのは明らかだが、選挙では争点にしてこなかった。だから、国民の多くが自民党の考へる改憲案に賛成してゐるわけではない。

 それは安倍自身もわかってをり、去る三日の憲法記念日に、9条1・2項を残したまま、自衛隊を明確に位置付ける3項を付け加へる事を提案した(*)。これならさほど抵抗はなからうといふ読みと思はれる。その発言を含むビデオメッセージは、改憲を推進する民間の集会で放映されたのだが、新憲法の施行時期を2020年としたいとも言ってゐる。野党は「立法府の軽視」「憲法99条に違反する」などと批判し、安倍自身や自民党幹部は党総裁としての発言だから問題ないとしてゐる。

 どちらが正しいかの判断は簡単ではないが、さておき本心ではもっと多くの改正を望んでゐるのは言ふまでもない。高校の無償化を盛り込むとも言ったらしいが、それは改憲でなく法改正でできる事であり(実際、民主党政権ではさうした)、改憲論議をしやすくするための付け足しに過ぎないのは明らかだ。意図通りに議論が具体化すれば、本当に改正したい事(帝国憲法の方向への後戻り)を盛り込むはづで、3年間でできるだけやるつもりなのだらう。


 メディアへの圧力もここ数年強まってをり、多くのメディアが政権の意向に沿った報道や解説をするやうになってゐる。政権を批判したキャスターや解説者が番組を降ろされた事で委縮してゐるらしいが、それと同時にTV局の幹部と食事会をするといった搦め手からの作戦もあり、唯々諾々と参加する連中には全く情けない思ひだ。そういふ状況は「大本営発表」時代への後戻りを懸念させる。

 また、マスメディアとは別にネトウヨの跋扈も見逃せない。政権を批判する者には「反日」とか「売国奴」といった中傷が浴びせられる。彼らには反政府デモなどはとんでもない行為と映るやうだが、さういふ傾向は安倍政権になってからどんどん加速してゐる。ネトウヨは文字通り主にネット上での活動だが、「電凸」といふのもある。政権に批判的な報道などを流したTV局に電話をかけ、「あの放送はけしからん」とか「あのキャスターを辞めさせろ」などと迫るものだ。局側は、面倒な事を避けたい一心から次第に自己抑制に向かふらしい。

 言論の自由といふ大前提があるので、かういふ動きを規制する事は出来ない。逆方向からの言論や行動もあり得るのだが、まともな民主主義者はネトウヨのやうな下品さを持ってゐないので、「逆電凸」をやってもインパクトに欠けるだらう。とにかく、さういふ事態が進行してゐるのが現状なわけで、それは安倍晋三が目指す方向に近い。

 言論の自由と言へば、例の「共謀罪」にも触れねばならないが、それは単独の記事にするほどの分量になりさうなので、ここでは言論の自由を侵害する虞があることを指摘するにとどめるが、敢て針小棒大に言へば、治安維持法の再来といふ懸念すらある。

 世論調査によれば改憲はさほど支持されてゐないが、大衆は改憲を争点にしない選挙で自民党を勝たせ、ネトウヨの跋扈に有効な対抗手段もなく、民進党や共産党も多くの議席を獲得する力がない。つまり、この国は今、安倍晋三が目指す方向に動いてゐるわけだ。もちろんそれを批判する勢力もあるのだが、結果として議会で多数を占めるには至ってゐない。



 そんなわけで、まともで地道な方法でこの流れを止める事はかなり難しいと言はざるを得ない。安倍晋三の党総裁任期はあと1年半だが、党則改正でさらに一期務める可能性が出てきた。もしそれが実現して自公政権も続くなら、安倍政権はあと4年半続く事になる。すると戦前回帰はさらに進行する。それはごめんだと思ふなら、反対運動に精を出さねばならない。それでも大きな流れが止められないなら、最終的にはテロに活路を見出すしかない。安倍晋三は自民党の有力者の中でも最も戦前回帰志向が強く、彼が死ねば、誰が首相になるにせよその流れは弱くなる。それを好機と捉へてさらに流れを引き戻すのだ。

 もっとも、実際には暗殺が逆効果になる可能性もある。安易に実行すべきではないし、そもそも殺人はよくない事だ。しかし、テロリズムは一つの思想として過去にも現在にも存在する。その思想では、「殺人はよくない事」といふ常識的な命題は捨て去られるし、実行は刑事罰を覚悟した上での事だ。それを嫌ふなら自爆テロや自殺といふも選択肢もある。前者はアルカイダやISがやってゐるし、後者の実例としての山口二矢は個人的に強烈な記憶がある。

 まあ、このやうに考へる人が他にもゐるかもしれないが、多分誰も実行はしないだらう。

 (*)私は、戦力不保持条項と自衛隊の存在は矛盾してをり、それを解消するには自衛隊の廃止か改憲かのどちらかしかないと考へてゐる。それは学生時代からの意見なのだが、当時もほぼさうだったし半世紀近く経った現在はさらに、前者は現実的ではない。従ってこの案自体には、具体的な方法は別として賛成の立場である。ただし、所謂安保法制の成立を経て必ずしも防衛のためだけではない戦争も可能になってをり、この改正がさういふ方向に資する事になると見てゐる。それを踏まへると、単純に賛成とは言へない。
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