明るくない未来

 「共謀罪」が成立した。徹夜となった参議院で、朝の8時少し前に可決された。衆議院通過の段階で会期末まで数日しかなく、野党の抵抗で審議未了になる望みもあった。また、それを見越して会期を延長するのでがないかといふ観測もあった。ところが現実には、委員会審議を省略して本会議で採決するといふ、異例の手法が使はれた。これは「特に緊急を要する場合」に認められてゐるさうだが、会期末が近いといふのが「特に緊急」とはとても言へない。必要なら延長も可能なのにそれもやらず、今国会で成立させなければ困るやうな法案でもない。どうやら、安倍政権の都合による「緊急」といふ意味合ひが濃厚だ。

 その「都合」についての詳細はさておき、成立自体は予想された事であるが、さういふ経過での成立だった事は記憶しておくべきだらう。それはある意味、この法律の怪しさの象徴とも言へるからだ。

 前回書いたやうに、標榜されてゐるテロ対策としてさほど有効とは思へず、戦前の治安維持法のやうな運用への懸念の方が大きい。反対意見もその点を主な理由としてゐる。さういふ心配はないと政府は言ふが、国会審議や官僚の解釈などから心配があることが見えてきてゐる。要するに、この法律が政府の方針に反対する言論や行動を取り締まるために利用される可能性が少なからずあるのだ。特に、安倍晋三の政治手法にはそれをするだらうと思はせるに足る印象がある。将来、彼ほどに強権的手法を取らない者が政権のトップに就いても、時代の様相が、時の政権にこれを悪用する事を思ひつかせるかもしれない。その際、安倍政権時代に前例があった、といふ事になるのではないだらうか。

 また、公安警察は反政府活動を監視してをり、一つ間違へば思想・信条の自由を侵害する組織なのだが、そこに踏み込まうとする場合にこの法律を根拠に適法とする事ができる。もちろん建前としてはダメなのだが、理屈は何とでもつけられる。そしてさういふ事例が明らかになると、言論が萎縮する。その行きつく先は昭和10年代である。

 治安維持法の制定からおよそ10年でさういふ時代になったのだが、仮に安倍政権があと4年半続くと、前述の「前例」がいくつか作られ、2020年代の後半あたりから「物言へば唇寒し・・・」になってしまふかもしれない。願はくは杞憂に終わってほしいものだが、もっと言へば、できるだけ早くこれを失効させる法律を作ってもらひたい。

 

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