島左近の最期(「天地人」より)と特攻隊

 今週の「天地人」は、関ヶ原の合戦と、奥羽での上杉対伊達の戦いが内容だった。

 関ヶ原では、西軍が優勢だったが、小早川秀秋の寝返りをきっかけに形勢が逆転し、家康の東軍が勝った。それは歴史上の事実だが、このドラマでは、東軍の武将(名前は忘れた)が三成を直接倒そうと本陣に迫る場面があった。

 負けを悟った三成は、決死の覚悟で自ら斬り込もうとするが、島左近に止められる。その時のセリフが泣かせるものだった。「死んではなりませぬ。ここは私が食い止めますゆえ、大阪城まで逃げて態勢を立て直してくだされ」。そして敵方に向かって名乗りを上げ、「わしの首を取って手柄にいたせ」と叫んで死地に赴くのだ。

 左近は、三成が秀吉から与えられた俸禄の半分を提供して迎えた武将だという。それほど優秀な人物だったわけだし、半分を差し出した三成の器量にも唸らされる。三成を年下ながら主君と仰いだ左近は、自身を犠牲にして彼を守るという最後の行動に出たのであり、史実かどうかは知らないが、こういう自己犠牲の精神は見る者を感動させる。


 ところで、中西輝政という人は、太平洋戦争の期間を日本人が一致団結して邁進した素晴らしい時期と評価し、中でも特攻隊員などが崇高な自己犠牲の精神を発揮した、と「日本人としてこれだけは知っておきたいこと」(PHP選書)で述べている。確かに特攻隊は自己犠牲そのものだし、負け戦と知りながら戦地に赴いた兵士たちも自己犠牲の精神を持っていたと思われる。

 しかしそれは、左近の場合と違って、上から強要されたものだった。彼らの多くは、死にたくないという気持ちと命令との狭間で、悩み抜いた末にそういう境地に達したのであり、強要するに至った軍責任者の失策より、結果としての「崇高な自己犠牲」を重視する考え方には疑問を呈さざるを得ない。
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日本が負けたら、愛する家族がどうなるかわからない、そういう気持ちで赴いた人も、多いですよね。
死ぬのは嫌だけど、これで守ることができるならば…と。
私は、そういうふうに守ってもらえた、その時代の女性が羨ましくもあります。

そうなんですよ

 そして、命を賭けて守られた戦争未亡人の多くが再婚しなかったのは、男の絶対数が不足していたためだけではないんでしょうね。
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