時効の医師法違反

 子供のころ、近所に助産婦さんが住んでいた。今思えば30代の独身女性だったようだが、その人に随分お世話になった。

 体の具合が悪くなると置き薬で対応していたが、それでダメな場合、そこに連れて行かれた。するとお尻に注射を打たれ、1~2回で回復した。最も記憶に残っているのは、ウルシにかぶれたときのことだ。ほぼ全身に湿疹ができ、随分苦しかったが、塗り薬と何回かの注射で治してくれた。多分ペニシリンだったのだろう。

 近くに病院がないので、そこの住民の多くは、単に産婆さんというより簡易診療所と考えていたようだ。ところで、大人になってから知識がつくと、あれは明確な医師法違反ということがわかった。助産婦には、注射を含めて診療行為の資格はない。それなのに堂々と?診療行為をしていたわけで、どうやって薬などを手に入れていたのか、全くわからない。いつの間にかそこに行かなくなり、存在すらも忘れた頃にその町を引っ越したので、彼女のその後は知らないのだが、医師法違反で警察沙汰になったということは聞いていない。

 近くに警察官も住んでおり、当然知っていたと思われるが、私の知る限り問題にはなっていなかった。もし何かミスでも起きれば事件だったのだろうが、そういうこともなかったようだ。産婆さんとしては優秀な人だったようで、逆子は、病院ではすぐに帝王切開だが、彼女は聴診器を当てながら時間をかけて胎児を正常な位置にする、と母が話していたのを覚えている。

 半世紀前は、違法でも実害がなければ目をつぶるという、おおらかな時代だったのだろう。現在は、そういう目こぼしがないばかりでなく、社会全体に隙間がなくなったように思う。監視カメラは確かに防犯の役に立つが、誰も見ていないところでちょっとしたわるさをする、ということがやりにくい。管理社会の窮屈さを改めて感じざるを得ない。

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